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電車の座席(秘)法則発見
第1030回 2010年4月17日


 4月は、新社会人が朝一出社を目指し、電車の乗車率が1年で最も高い時期と言われています。そこで今回は、通勤電車の辛さを科学の力で解消します! 

潰れたアルミ缶  春の通勤電車を体験すべく、矢野さんは朝のラッシュ時に、体にかかる圧力を調べるためアルミ缶を体に巻きつけて乗車!すし詰め電車に揺られ15分後、下車すると、アルミ缶は見事にペチャンコ。これでは、体への負担と共にストレスもかなりかかるはず。そこで実験!普段ラッシュ時の電車に乗らない男性2名の唾液を採取し、ストレスを感じると増える、アミラーゼの量を計測します。比較のため、事前に苦いセンブリ茶を飲んだ後と、番組ADが1週間はき続けた靴下の強烈な臭いを嗅いだ時のストレスも計測。そして15分間、満員電車に揺られた直後の唾液を計測すると…なんと2人とも通勤電車に乗った後のストレスが最も高かったのです。

 さて、長い通勤電車では何がなんでも座りたいですよね!そこで電車内での座り方を観察し、人気・不人気の席を検証します。6名がくじ引きで順番を決め、6人掛けシートの好きな席に座ってもらいます。すると、両端から埋まり、次は真ん中と、皆さんはどうやら他人と離れられる席を選んでいるようです。そこで、最近車内によく立っているポールを、端と2番目の席の間に設置し、再びくじ引きをして実験してみると…やはり最初に両端と真ん中が埋まりましたが、次の方はまるでポールに引き寄せられるように人と人に挟まれた狭い席へ。ポールの位置を変えて再度実験しても、ポールの隣は人気でした。この理由を専門家に伺うと、人間は人が近付くことによる不快感を避けるために離れて座り、ポールは仕切りの役割を果たすので、気持ちが落ち着くそうです。

所さんのポイント
ポイント1
人は他人と距離を置きたいため、電車の座席では、両端の席と、仕切り代わりになるポールの周りの席が人気なのだ!

 電車内で空き缶が転がっていても、なぜか誰も拾わないという経験は誰にでもありますよね。そこで、電車内の心理状態を検証するためにこんな実験です!ショッピングモールの休憩用スペースを通勤電車の車内に見立て、隠しカメラでその様子を観察します。乗客役の方々を、1人ずつ時間をずらしてベンチへと誘導し、互いに面識のない8人を集め、電車内と同じ状況を再現。ここで様々なハプニングを起こしてその反応を観察します。比較のため、まだ他の客が誰もいない時に、突然目の前で女性が転んだ時の対応を見ると、男性はすぐに声をかけ、助けにかけつけました。しかし、8人の場合では…誰も転んだ女性を助けず、声すらかけません。話しかける外人続いては、外国人が道を尋ねてきた場合。男性が1人の時は、すぐさま立ち上がりとても親切に対応したものの、8人の場合、尋ねられた男性は戸惑い、座ったまま対応。周りの人も誰も動かず無関心…。そこで、皆さんに事情を説明し、理由を聞くと、助けたい気持ちはあるが、あえて無関心を装ってしまうそうです。専門家によると、人は他人がいるという不快感を少しでもやわらげるため、自分も周りも存在感を消すそうです。例えば、車内で携帯通話や化粧する人をみると、不快になるのも、皆がお互いに存在を消していた空間を壊してしまうからだと考えられます。

 さて、通勤電車の中で皆さんは何をしているのか、街で30人に聞いてみたところ、半数以上の方が携帯電話を見るとの回答。そこでこんな実験!満員電車時の1人当たりの面積と同じ状態になるように、部屋に男性20人を詰め込み、そこに3人のサラリーマンにそれぞれ、普段電車で使っているアイテムを持って入ってもらい、15分経ったと思ったところで部屋の外へ出てもらいます。まずゲーム派の方は、比較のため何も持たずに部屋の中へ入った時より、ゲーム機を持ち込んだ場合、1分以上タイムが伸びました。続いては読書派。何もしない時は8分50秒でしたが、本を読んだ場合は、なんと20分をオーバー。最後に携帯電話派は…何もしない時よりもタイムは30秒程度しか伸びず。結局読書が一番で携帯は最下位という結果に。しかし、人を変えての再実験では、読書が最下位でゲーム機が1位。満員電車で気を紛らわせてくれるのは、必ずしも携帯電話が一番ではないようで、本やゲームよりも、常に持ち歩いている人が多いためによく使われるようです。
 一日の仕事が終わり、電車で疲れて眠ってしまう人が、自分の降りる駅でピタっと起きられるのはなぜでしょうか?そこで会社帰りでお疲れのサラリーマンに脳波計を装着し、いつもの電車に乗ってもらい実験です。電車が走り出して10分。脳波計で眠りを示すシータ波を確認できると、事前にお願いした通り、2駅手前で実際に降りる駅の、ウソのアナウンスを流してもらいます。すると…目を開き、慌てて降りようとしました。別のサラリーマンでも実験をしたところ、同じようにウソのアナウンスで目を覚ましました。2人とも、眠っていたのにアナウンスが聞こえたというのです。専門家によると、電車の中などで何かに注意を払って寝ているような状態を注意睡眠と呼び、浅い眠りなので、特に大事な情報が脳に入ると簡単に目覚められるそうです。ただし、極度の疲れで熟睡した場合は起きられないのでご注意を。

所さんのポイント
ポイント2
電車の中での睡眠は、注意睡眠という浅い眠りなので、自分が降りる駅のアナウンスが聞こえると簡単に目覚められるのだ!




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