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皮膚体操 の科学
第1273回 2015年4月26日


 日本人の悩み・・・といえば「身体のコリ」!
身体の「コリ」を解消するのに、今注目されているのが…「皮膚」!?コリの原因の一つに、皮膚が関係しているというのです。
そこで今回は、皮膚と体のコリについて徹底解明!自宅で座ったままで出来る、首・肩・腰のコリ解消法を紹介します!

①ポニーテールにすると体が柔らかくなる!?

 私たちの体を覆っている皮膚が体の動きにどう関係しているのか?
 文京学院大学・保険医療技術学部の福井勉教授に伺うと、「体を楽に動かす1つの方法としては皮膚を動かすということがあげられる」と解説。先生によると、体を動かすには皮膚の動きが大事だといいます。体の動きに合わせて皮膚も動く・・・体の動きと皮膚の動きは連動しているのです。小さいシャツを着ると、腕が動かしづらくなりますよね?これと同じように皮膚が動きにくいと体も動かしづらくなってしまうんです。
 皮膚はたるんだ部分から、突っ張った部分に動いていきます。皮膚は、体の動きに合わせて、移動するものだったのです。
 先生によれば、そんな皮膚と体の動きの関係がわかる実験があるといいます。福井先生は、「例えば、前屈をする時にポニーテールをすれば、前屈は大きくなる」といいます。ポニーテールをするだけで体が柔らかくなる!?そこで実験!10代から20代の女性5人に協力してもらいます。まずは女性から。髪を下げた普通の状態で前屈を行うとマイナス8.4cmでした。そこで、ポニーテールをして、再び前屈を行ってもらいます。すると…なんとプラス6.8cm。先ほどよりも、約15cmも記録が伸びました!他の皆さんも軒並み数値がUP!5人平均で、約8cmも柔らかくなりました。
 でもなぜ、ポニーテールをしただけで体が柔らかくなったんでしょうか?
 福井先生は、「ポニーテールをすることによって皮膚が引っ張られたということが、皮膚の様々な受容器が、体にこういう風に動きなさいということを教えた」と解説。
 先生によると、そもそも、立位体前屈をした時、お腹の皮膚はたるみ、背中の皮膚は伸びるため、皮膚はお腹から背中にかけて動いていきます。
 この時、皮膚が伸びて動きにくくなると、脳はそれ以上体を曲げようとしなくなるのです。そこで、今回の実験のように、ポニーテールをすると、頭皮が後ろに引っ張られます。すると、脳から全身の皮膚に、「これから後ろに動きますよ」という指示が出て、皮膚を動かす準備ができる・・・。
 そのため、皮膚がよりスムーズに動くことができ、より大きく体を曲げることができるというわけなんです。さらに、体を柔らかくする、別の方法もあるといいます。福井先生によると、「一つのやり方だが、鼻にテープを貼っておでこの方に持ち上げれば同じように、体が柔らかくなる」と言うんです。
 鼻の頭を持ち上げて、鼻の皮膚を上に引っ張っても、体が柔らかくなるといいます。早速、先ほどの5人で実験です。通常の時は、−0.4cmだった女性。鼻を持ち上げてみると…なんと11.9cmと、約12cmも記録が伸びたんです。鼻の皮膚を持ち上げるだけで、5人平均で約9cmも体が柔らかくなったんです。皮膚は体を楽に動かすために重要な器官だったんです。


②体のコリが解消できる「皮膚体操」とは?

 やってきたのは、千葉県佐倉市。とある集会場の一室を覗いてみると…何やら椅子に座って、顔やお腹を触っています。
 一体これは何なのでしょうか?集会場にいたのが、按摩マッサージ指圧師の国家資格を持ち、体をケアする方法を指導する、メディカルトレーナー宮田トオルさん。宮田さんは「皮膚体操と言って、皮膚を動かしながら、筋肉をほぐしたり、血液とか酸素の運搬や流れを良くしています」と言います。
 宮田さんの薦める皮膚体操は、誰でも簡単に全身のコリをほぐすことができるといいます。例えば、頭皮を動かすだけで、首のコリがとれる。腰の皮膚を動かすだけで、腰痛が解消される。そして、足をさするだけで、股関節の痛みが和らぐというんです。本当なのか?「肩コリ」を解消する皮膚体操を教えてもらいます。宮田さんによると、「肩こりにも色んな原因があるが、少し背中が丸まってきて、顔が前に出てきてしまうと、胸の皮膚が引き寄せられてしまう。そこで、胸の皮膚を引き上げながら動かすことで、肩の位置が元に戻って、肩甲骨の皮膚にもゆとりができる。だから、肩回りの血流が良くなる」とのこと。胸の皮膚を動かすだけで肩こりが解消される?そこで、肩こりに悩んでいるという4人で皮膚体操を検証です。まずは胸と背中の皮膚を10回ほど上に引っ張り上げます。  そして、胸の皮膚を引っ張り上げた状態で10秒ほどキープ。なんとこれだけ。皮膚体操の前と後の肩の筋肉の硬さを「筋硬度計」を使って計測しました。すると、皮膚体操の後は、左右ともに、肩の筋肉が柔らかくなりほぐれていたんです。結果、4人全員、肩のこりがほぐれたんです。


③自宅で実践!座ってできる皮膚体操!

★座って出来る皮膚体操〜「首のコリ」編〜

[1] 髪の生え際に10本の指を当てます
[2] 頭皮を上に押し上げる動作を10回繰り返します
[3] 頭皮を上に押し上げたまま10秒間キープ
[4] [1]〜[3]を3セット繰り返す
※この時に気をつけるポイント!
呼吸は止めずに、自然にすること。ひじが開いてしまうと肩に力が入るので、上にあげるというよりは、顔を指にあずけるような形で!

★座って出来る皮膚体操〜「肩コリ」編〜

[1] 胸に手を当て、胸の皮膚を斜め上に10回動かします
[2] 皮膚を持ち上げた状態で、10秒間キープ
[3] [1]〜[2]を3セット繰り返す
※この時に気をつけるポイント!
初めての人は、「力んで早くやってしまう」が、なるべく1秒間に1往復ぐらいのリズムでゆっくり、リラックスしてやること。さらに、皮膚を動かしながら、肩を後ろに10回動かすのも効果があるといいます。これも3セット繰り返します。

★座って出来る皮膚体操〜「腰のコリ」編〜

[1] つま先の位置を揃える。どちらか前に出ているとそれだけで皮膚にゆがみが出てくるので、バランスを整えた状態で行う
[2] 腰のコリは、ベルトをする高さに手を置いて、左右に10回、腰の皮膚を動かす ※この時に気をつけるポイント!
腰の皮膚を動かす時に、肩も一緒に動いてしまう人がいる。この場合、腰の皮膚が動きにくくなるので、上半身は力を入れず、安定した状態にして、腰の皮膚だけを動かすことが大切。腰や後ろへ手が回せない人は、お腹の皮膚を動かしても効果があるといいます。両手をお腹にあてて、皮膚を左右に動かすだけ。

また、立った状態で、腰の皮膚を縦に動かす方法もあります。

[1] 背骨の両脇に手を当て、縦に(地面と垂直方向に)皮膚を動かしていきます
[2] この時、手がズレやすくなるので、指先を軽く曲げて皮膚をひっかけると皮膚を動かしやすくなります。これも10回、上にあげたところで10秒間キープ

この動きは、腰だけではなく、背中から肩や首にかけて皮膚にゆとりができるため、肩や首のコリにも相乗効果として改善が期待できる!



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