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青ヶ島 の科学
第1285回 2015年7月19日


 今年も、待ちに待った夏休みが到来!実は今、「死ぬまでに一度は訪れたい」と国内外から注目を集める場所がニッポンにあるというんです!
 そこは、東京から358キロ離れた伊豆諸島の小さな島!行ってみると、そこは断崖絶壁に囲まれた「絶海の孤島」。謎に包まれたこの島の何が、人々を魅了するのでしょうか?
 今回の目がテン!は死ぬまでに一度は訪れたい!青ヶ島を科学します!

①世界が注目する青ヶ島の魅力を科学で解明!

 東京から飛行機で1時間、降り立った所は…八丈島。そう、青ヶ島へは、ヘリコプターか船でしか渡ることができないんです。そこからヘリに乗り、無事、青ヶ島に上陸!さっそく青ヶ島を探索!…と!ヘリポートを出てまず目にしたのは…品川ナンバーの車。そう、ココは東京都青ヶ島村。実はココ、170人が暮らす日本で最も人口が少ない村なんです。
 まずたどり着いた先は、青ヶ島の小学校と…中学校。ここは島唯一の小中学校。全校生徒15人が在籍していると言うんです。学校の先生によると、島が一望できる「オオトンブ」へ行けば島の魅力が分かる、と言うんです。オオトンブを目指す途中…酒屋さんを発見!聞くと、ココは島で唯一の商店。食料品から日用雑貨まで生活に必要なものは一通り揃います。島の経済を垣間見たところでオオトンブへ!すると…山の斜面に謎の施設を発見!実はコレ、集落の上に設けられた取水場なんです。青ヶ島には湧き水がないため、山の斜面を利用して雨水を集めそれを、ろ過して使っているんです。そして山道を登ることおよそ20分…ついにオオトンブへ!そこからは、青ヶ島を360度見渡せる「絶景」が広がっていました!このすり鉢状の地形は、地下のマグマが陥没してできた「カルデラ」という地形なんです。

所さんのポイント
ポイント1
青ヶ島独特の地形は火山の噴火でマグマが陥没してできた「カルデラ」だった!


②青ヶ島のカルデラ探検!神秘の楽園のヒミツとは?

 青ヶ島のカルデラの中は一体どうなっているのでしょうか?さっそく山をくだって中へ入ってみることに。すると…突然、カルデラ全体を包み込む謎の霧が発生!実は青ヶ島は、霧が多く発生する場所なんです。
 その秘密は、島の形にありました。南側を見てみると…一際窪んだ部分があります。そこから温かく湿った空気が流れ込み、より高い、北側の山にぶつかり上昇。そこで空気が冷やされ、霧が発生するんです。
 実はこの霧が、青ヶ島の豊かな自然を育む重要な要素だったんです。そこには、ゲットウの花が!温帯の青ヶ島でも東南アジアの熱帯で育つ植物が見られます。さらに奥へ進むと…木の上に生えている、謎の植物を発見!さらに!コチラの木にも、いたるところに謎の植物が!中には、岩の上にへばりつくモノも!
 実はコレ、オオタニワタリという亜熱帯の植物。シダの仲間で、葉の裏につく胞子を飛ばして、樹上や岩の上に着生します。葉の中心に溜まる落ち葉などを腐葉土にし、養分を吸収するため土がなくても生育できるんです。オオタニワタリは日本では絶滅危惧種のため、これだけ群生するのは極めて珍しいと言われています。気づくとそこは、背の高いまっすぐな木ばかり。一方、カルデラの外は背が低い樹が多く目立ちます。では、一体なぜカルデラの外と中で植生が違うのでしょうか?
 青ヶ島の植物に詳しい筑波大学・生命環境系の上篠隆志教授は、「絶海の孤島なんで風が強いんです。その風を火口の外輪山がよけてくれるんで、その中は比較的風が弱まるんでもう他に類を見ない森。もう一つは火口の中側は、溶岩なんだけどたくさんの水が供給されるんで水分不足にならない温暖でとっても湿潤で霧も多いんで生育できる。まさに楽園です」と解説。試しにカルデラの外で風速を測ってみると…約13メートル。一方、カルデラの中は…ほぼ無風でした。さらに、温度と湿度もカルデラの中の方が高かったんです。

所さんのポイント
ポイント2
火山によって出来た周りを囲い込むカルデラが青ヶ島に独特の植生を作り出していたのだ!


③青ヶ島伝統の「ひんぎゃ」脅威の自然エネルギーとは!?

 カルデラの中を見ていると…一部分だけ木が生えていない部分がありました。一体なぜ、この部分だけ木が生えていないのでしょうか?
 さっそく近づいてみると…そこには!山の斜面のいたるところから、謎の白い煙が!この煙の正体は、一体何なのか?青ヶ島の火山に詳しい、産業技術総合研究所の活断層・火山研究部門の高田亮理学博士によると、「マグマから来るガスというのは上にあがってくると有毒なガスが多い。非常に奇跡なのは青ヶ島の場合は水蒸気なんです。99%以上。だから安心して人も行けるし、ある意味独特のユートピアの世界が続いている」と解説。
 通常、火山活動が活発な噴気孔は有毒ガスが含まれていることが多く近づくことはできません。しかし青ヶ島の場合は、地下に溜まった海水が、マグマのガスを封じているため、有毒ガスが含まれていないと言うんです。
 噴気孔の温度を測ってみると…約90度。特殊な機械を使い、山が禿げている部分を見てみると…周りに比べ、温度が高いことが分かります。
 つまり、木が生えていないのは、地熱で植物の成長が抑制されているからなんです。島の言葉で「ひんぎゃ」と呼ばれるこの噴気孔…昔から青ヶ島の生活には欠かせないモノなんです。街では、ひんぎゃを利用した「地熱釜」と呼ばれる蒸し釜が自由に使える場所があり、カルデラの中で働く人たちは集落が遠いため、ここで昼食をとる方も多いんだとか。 地熱釜のフタを開けてみると…島の食材を中心に、ひんぎゃで蒸したシンプルな伝統料理が!そして、蒸し卵に付けて頂いた「塩」、実は普通の塩とはちょっと違うんだとか。近くで実際に塩を作っているそうなので、現場を案内してもらうことに。目にしたのは、海水の入った大きな平釜!ひんぎゃの地熱を利用して海水を常に温め続けているそうです。
 そう、実はこの塩ひんぎゃを利用して作っていたんです常に一定の90度で煮詰め、2週間かけて塩の結晶を作ります。青ヶ島の海水とひんぎゃの熱だけで作った、自然の恵みです。
 さらに!製塩所の隣に建物を発見!そこは、一際地面の温度が高かったんです。ということで、さっそく行ってみることに。実はココも、ひんぎゃを利用したサウナなんです。サウナの温度を測ってみると、意外にも、温度は48度。一般的なサウナの温度を見てみると…90度以上。
 では、どうしてひんぎゃのサウナでは低温でも熱く感じるのでしょうか?その秘密は気化熱にありました。ヒトは汗を蒸発させることで、体から熱を奪い、体温調節しています。一般的なサウナの場合、汗がすぐに蒸発し、体を冷やすことができます。一方、ひんぎゃのサウナの場合、水蒸気が多く、汗が蒸発しにくいため体を冷やすことができず、体表面温度が上昇するんです。だからひんぎゃのサウナは低温でも熱く感じたんです。

所さんのポイント
ポイント3
「死ぬまでに一度は訪れたい」と言われる青ヶ島には、自然の恵みを受けたたくさんの魅力が溢れていたのだ!




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