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プロレス の科学
第1316回 2016年3月6日


 今、女性たちの黄色い声とともにプロレス人気が急上昇!プロレスの何が彼女たちを魅了しているのか?科学で徹底解明!

①プロレスはなぜ人気?

 「プロレスの聖地」後楽園ホールで後藤アナがプロレス初観戦。客席には多くの女性客の姿が大勢。彼女たちに魅力を聞いてみると…「イケメンが多いのが魅力」という声が多々。しかし、スポーツ社会学の専門家・常見先生は、今のプロレスには見た目のカッコよさ以上の魅力があると言います。先生によると、今のプロレスは、初めての人でも楽しめるようなものになっていて、エンターテインメントの要素がすべて詰まっている。その要素は「選手のキャラクター」「ストーリー」「カタルシス」「コミュニケーション」。これらが今のプロレスの魅力とのこと。
 そこで、実際の試合でそれらの魅力を検証していきます!まずは、オープニングマッチ。ここでは選手の「キャラクター」に注目!常見先生によると初めての人でも分かりやすいキャラクター設定が今のプロレスの魅力だと言うんです。
 第3試合は、勝敗がつくまでの「ストーリー」が魅力。試合早々、豪快な投げ技が炸裂!すると今度は突然、レスラーたちが踊り始める予想外の展開。常見先生によると、8試合の中で、全部ハイスパートなプロレスだとお腹いっぱいになってしまう。それぞれの試合の組み立て方を楽しめるのも魅力の一つなんだそう。
 そして「カタルシス」を喚起するメインイベント。互いに人気、実力ともに拮抗し勝負の行方が分からないタイトルマッチです。試合中盤、無抵抗にやられる挑戦者の姿に、泣き出すファンも!常見先生によると、選手の頑張っている姿に自分を重ねて感情を解放するのも魅力の一つだと言うんです。
 試合終了後、ロビーには先ほどまでリングに上がっていたレスラーを発見!本物のレスラーと間近で接することができるのも、今のプロレスの魅力のひとつなんです。

所さんのポイント
ポイント1
プロレスは初めての人でも楽しめる要素が満載だったのだ!

 スーパーササダンゴマシンがレスラー目線でもプロレスの魅力を解説。プレゼンテーマは「ファンとの相互利益を生んだプロレス進化論」!
■1つ目が「脱・単色パンツ」
 昔のレスラーと言えば単色パンツが基本。それが「美」とされていた。今は、それぞれの選手が思い思いのコスチュームでオシャレを楽しみ、ファンもそこに魅力を感じているんです。
■2つ目が「脱・地味な技」
 昔は関節技など、初めての人にはちょっと分かりにくい技が多い傾向にあった。そういう基本技ができて初めて一人前という風潮があったからです。今は個々の選手が自分の身体能力を生かした技をどんどん使えて、その結果、派手で分かりやすい技が増え、レスラーもファンも楽しめるようになったんです。
■3つ目が「脱・怖いキャラ」
 悪役レスラーは試合中に怖い顔をしているが、試合後ファンと触れ合っている時は楽しそう。かつてプロレスラーと言えば怖くて近づきがたい存在だったのですが、本音を言えばファンと仲良くなりたいんです。今は試合後のサイン会や撮影会などでファンと距離が縮まり、実はレスラー自身もそれを楽しんでいるんです。


②プロレスラーの肉体の秘密に

 プ女子にプロレスの魅力をさらに聞いてみると、プロレスラーの肉体に惹かれる方が多いよう。その秘密を探るため、新日本プロレス道場にお邪魔しました。出迎えてくれたのは、100年に1人の逸材・棚橋弘至選手ら、親日の人気選手たち。逞しい肉体をしている選手たちは、普段どんなトレーニングをしているか見せてもらいます。まずは、ロープの下に座り込んで体を腕だけを使って持ち上げます。さらに、今度はアタマをマットに押し付けて、頭と脚だけでブリッジ。その上に体重91キロの負荷をかけてもへっちゃら!
 これらのトレーニングは、首から背中にかけての筋肉を特に鍛えているんだとか。その理由は、必殺技を見ればわかるということで、棚橋選手の「ハイフライフロー」、後藤選手のラリアットを体験!その衝撃力を、速度の変化を計測する加速度センサーで計測。後藤選手のラリアットは最大でおよそ1.9トンの衝撃力!田口選手のドロップキックは最大およそ2.1トンもの衝撃力!棚橋選手によると、プロレスの競技特性としてやられても立ち上がっていくというところが一番の醍醐味。だから最も重要なのはダメージから身を守ることなのだそう。そのために行うのがプロレスならではの「受け身」。この、受け身の際、頭を守るために使うのが、首から背中にかけての筋肉。プロレスラーは技を受けて身を守るための筋肉を鍛えていたのです。
 さらに、その筋肉の詳細を調べるため、超音波による画像計測装置で選手の筋肉の厚みを調べると、棚橋選手の大胸筋の厚みは29.6ミリ。ちなみに渡辺裕太の大胸筋の厚みは8.8ミリ。一般人の3倍の筋肉の厚みだったんです。レスラー4人の平均は32.8ミリでした。
 しかし!ここで意外な事実が判明!専門家によると、筋肉質に見えるレスラーに意外と脂肪があるとのこと。画像で白く映っている部分が脂肪。その厚みの平均は7.7ミリ。同じく筋肉質のボディビルダーは半分以下の3.3ミリでした。レスラーにはなぜ脂肪があるのか?スポーツ医学の専門家、山田先生に聞いてみると…コンタクト(接触)が多いため衝撃吸収の面と長時間戦わなければいけないという面では脂肪も一つのエネルギー源になり、レスラーには必要だとのこと。

所さんのポイント
ポイント2
レスラーの脂肪は技を受けた時の衝撃吸収と長時間戦うためのエネルギー源だったのだ!

 ちなみに…スーパーササダンゴマシンによると、確かにレスラーの体は衝撃に強くできているが、人間の体は、皮下脂肪の上の皮膚表面に痛みを感じる「痛点」があるため、一般人と同じで「痛いものは痛い」とのこと。


③プロレスと共通点のある意外なスポーツとは?

 プロレスと共通点があるスポーツとは何なのか?山田先生によると、しれは「ラグビー」。激しいコンタクトが繰り返されてなおかつそれが継続される。しかも倒れても起き上がってコンタクトを繰り返すという点に非常に共通点があるとのこと。
 ならば!ラグビー選手はレスラーと同じ体の特徴なのか?検証です!レスラーと同じ大胸筋を超音波で計測してみると…確かに、脂肪と筋肉の厚みにレスラーと同じような特徴がありました。さらに、腕や腹部、太ももの厚みも計測してみると…なんと、すべての部位においてレスラーと同じような筋肉と脂肪のバランスでした。

所さんのポイント
ポイント3
激しいコンタクトを継続するレスラーとラグビー選手は体の特徴が共通していたのだ!




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