演奏レビュー

日時

2020年5月21日(木)午前2:29~3:29(水曜深夜)予定
BS日テレ 5月30日(土)朝7:00~8:00予定

5月放送プログラム

ブラームス作曲   交響曲第2番 ニ長調 作品73 ほか

指揮
小林研一郎

(2019年2月14日 サントリーホールにて収録)


【5月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響シンフォニックライブの構成を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【ブラームス作曲 交響曲第2番 ニ長調 作品73 ほか】
ロマンティックが止まらない演奏でした。冒頭から出し惜しみせずに歌いまくり、感涙の蛇口をひねりっぱなし、引き算しないでひたすら盛って盛って盛っていく音楽。ロマンチストで何が悪い?ブラームスなんだから!巨匠コバケンの余裕です。
昨今の流行でもあるポリフォニーの構造を際立たせるために音を軽く細く紡ぐ演奏ではなく、主旋律も内声も両方とも豊かに聴かせ、太い縄でぐいぐい編んでいくのがコバケン流。
ブラームスの交響曲の魅力である或る種のうるささ(音がうるさいという意味でなく)をたっぷり聴かせてくれました。ブラボー!

演奏者の略歴

小林研一郎(指揮)
小林研一郎(指揮)
Kobayashi kenichiro
1940年福島県いわき市出身。東京芸術大学作曲家および指揮科を卒業。74年、第1回ブダペスト国際指揮者コンクール第1位、特別賞を受賞。これまでハンガリー国立響の音楽総監督の音楽総監督をはじめ、チェコ・フィル常任客演指揮者、日本フィル音楽監督など国内外の数々のオーケストラのポジションを歴任している。2002年5月の「プラハの春音楽祭」オープニンング・コンサートの指揮者に東洋人として初めて起用され、〈我が祖国〉全曲をチェコ・フィルと演奏して絶賛された。ハンガリー政府よりリスト記念勲章、ハンガリー文化勲章、民間人最高位の“星付中十字勲章”、ハンガリー文化大使の称号を授与された。11年、文化庁長官表彰。13年、旭日中綬章を受賞。チェコ、オランダでも文化を通じた国際交流や社会貢献に寄与し、長年にわたり重責を担ってきた。
現在、日本フィル桂冠名誉指揮者、ハンガリー国立フィルおよび名古屋フィルの桂冠指揮者、群馬響ミュージック・アドバイザー、九州響名誉客演指揮者、東京芸術大学およびリスト音楽院(ハンガリー)名誉教授の任にあるほか、東京文化会館音楽監督、長野芸術監督団の音楽監督、ローム ミュージック ファンデーションの評議員を務めている。
録音では、14年4月から読響と取り組んだブラームスの交響曲全集が好評を博す。
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