演奏レビュー

11月放送予告

2022年11月17日(木)2:35~3:35(水曜深夜)予定
BS日テレ 11月26日(土)朝7:00~8:00予定

11月放送プログラム

パイレーツ・オブ・カリビアン
交響組曲「ハリー・ポッター(賢者の石)」から〈ヘドウィグのテーマ〉
チャイコフスキー作曲 バレエ音楽「眠れる森の美女」組曲版から
   Ⅰ.序奏とリラの精
   Ⅴ.ワルツ
「スターウォーズ」から〈メインタイトル〉
久石譲作曲 Summer

指揮
松本宗利音

(2022年8月30日 東京芸術劇場にて収録)

モーツァルト作曲 ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595

指揮
ユライ・ヴァルチュハ
ピアノ
アンヌ・ケフェレック

(2022年8月23日 サントリーホールにて収録)


【11月の演奏・聴き所】
音楽プロデューサー 新井鴎子の演奏レビュー

新井鴎子プロフィール
読響プレミアの音楽監修を担当
クラシック音楽のコンサート・テレビ・ラジオ番組の構成を多数手掛け、長年にわたりその楽しみや魅力を親しみやすく伝えてきた。
音楽祭のディレクターやオペラ・ミュージカルの脚本、執筆活動など〈クラシック音楽〉の分野で幅広く活躍している。
現在、東京藝術大学特任教授。

【映画音楽】
ジョン・ウィリアムズの映画音楽を読響の爆音で聴くと、「スターウォーズ」などはまるでブルックナーのシンフォニーのような迫力です。松本宗利音さんはデジタルネイティブの世代、生まれた時からデジタル制御されたCDの音を聴いて育ったのだなということを感じさせるクリア・サウンドをつくっていました。
ジョン・ウィリアムズ作品の間にチャイコフスキーのバレエ音楽をはさんで聴くと、改めてチャイコフスキーの秀逸なオーケストレーションが、20世紀の映画音楽作曲家たちに大きな影響を与えていたことがわかります。宗利音さんはお話も上手で、若い頃から読響でアルバイトをしていたという経緯もあり、読響の先輩方が彼のタクトを見守るあたたかい雰囲気が伝わってきました。

演奏者の略歴

松本宗利音(指揮)
松本宗利音(指揮)
Matsumoto Shurihito
1993年11月22日大阪府豊中市出身。相愛音楽教室、センチュリー・ユースオーケストラに所属し、音楽、特にヴァイオリンに親しみながら幼少期を過ごした松本宗利音は、京都堀川音楽高校を経て東京藝術大学音楽学部指揮科卒業時に最優秀賞であるアカンサス賞を受賞。
指揮を尾高忠明、藏野雅彦、高関健、田中良和、ヴァイオリンを澤和樹、曽我部千恵子各氏に師事し、藝大在学中にはダグラス・ボストック、パーヴォ・ヤルヴィ両氏のマスタークラスを受講。
2019年4月から2022年3月まで札幌交響楽団指揮者として道内はもちろん各地で共演を重ね、2020年10月には指揮研究員を務めて指揮者としての才能を開花させる礎となった東京シティ・フィルの定期演奏会に、2021年2月には読売日本交響楽団に、9月には大阪フィル定期演奏会にもデビューし堂々たる演奏を披露。これまでに山形交響楽団、仙台フィル、群馬交響楽団、東京交響楽団、新日本フィル、名古屋フィル、京都市交響楽団、関西フィル、大阪交響楽団、日本センチュリー交響楽団などに客演、活躍の場を大きく広げている。これからの音楽界を担う期待の若手指揮者の一人であり、その瑞々しい感性から引き出される音楽から目と耳が離せない注目の存在である。
ユライ・ヴァルチュハ(指揮)
ユライ・ヴァルチュハ(指揮)
Juraj Valčuha
1976年ブラチスラヴァ生まれ。母国で作曲と指揮を学んだ後、サンクトペテルブルクとパリで学び、ムーシンらに師事。フランス国立管デビューを皮切りに欧米で活躍。2009年から16年までRAI国立響の首席指揮者を務め、ウィーン、ベルリン、デュッセルドルフなどへのツアーでも成功を収めた。16年からナポリ・サンカルロ劇場の音楽監督を務め、同劇場の水準を高めた手腕が高く評価されている。また17年からベルリン・コンツェルトハウス管の首席客演指揮者を務め、今年6月にヒューストン響の音楽監督に就任した。
これまでにベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ドレスデン国立歌劇場管、ニューヨーク・フィル、ウィーン響、シカゴ響、フィルハーモニア管、ミュンヘン・フィル、ピッツバーグ響など一流楽団を振るほか、ブカレストでのエネスク国際フェスティヴァルやベルリン・コンツェルトハウス管によるバルト三国での100周年記念ツアーなどにも参加。オペラでも目覚ましい活躍を続け、バイエルン国立歌劇場で〈蝶々夫人〉〈フィガロの結婚〉、ボローニャ歌劇場で〈サロメ〉、フェニーチェ劇場で〈ピーター・グライムズ〉を指揮するなど活躍の場を広げており、今、まさに大躍進中の気鋭指揮者。
アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
Anne Queffélec
パリ生まれ。ウィーンでブレンデル、バドゥラ=スコダらに師事。1968年ミュンヘン国際コンクールで優勝。以来、世界各地で演奏を展開。ブーレーズ、ガーディナー、エッシェンバッハら巨匠の指揮で、ロンドン響、フランス国立管、チューリッヒ・トーンハレ管などと共演。とりわけモーツァルトの瑞々しい解釈は高く評価され、1984年製作の映画『アマデウス』ではピアノ協奏曲を演奏して話題となった。BBCプロムス、ラ・フォル・ジュルネ、ラ・ロック=ダンテロンなどの音楽祭に出演。40枚以上のCDをリリースし、ディアパゾン・ドール賞など受賞多数。読響とは82年、2009年に共演し、今回3回目の登場。
バックナンバー一覧
ページの先頭へ