金子みすゞ  『詩人のまなざしを育んだ家』

(2004/5/19放送)


雄大な日本海を望む町、仙崎。
漆喰の壁の建物は、
大正末期の童謡詩人、金子みすゞの家です。


   
豊かな自然と明るい家族に囲まれて産まれたみすゞ。
けれど彼女が二歳のとき、
突然、父親が亡くなります。


   
子供たちを育てながら、
本屋を営み、忙しい毎日を送る母・ミチ。
幼いみすゞは、大好きな母の背中を黙って見つめ続けました。


   
そんな彼女に、母は教えます。
親とは、いつでも、どこにいようと、
必ず我が子を見守っているのだと。


 
その温かな言葉に、彼女は知るのです
「わたし」という命を生んでくれた、両親の大きな愛を・・・。

「見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ」 (「星とたんぽぽ」より)


 
のちに童謡詩人となったみすゞは、
全ての生命に優しいまなざしをおくった作品を描き続けます。
この家で育まれた想いを、
人々の心に届けるように―。

金子みすゞ  『詩人のまなざしを育んだ家』

(2004/5/19放送)

今回の放送のBGM♪
「In The Meantime」Groria Estefan
次回(5月26日)の『心に残る家』は
シラー『「ウイリアム・テル」を書いた家』
をお送りします。
お楽しみに。