出場チーム

 アメリカ(北中米王者) ~2大会ぶり3回目出場~

ベテランと若手の融合でバレー大国復活へ

常に世界のバレー界をリードしてきたアメリカ。ブロックとスパイクの戦術の変遷は、アメリカとロシアの覇権争いの結果生まれたものと言っても過言ではないだろう。そのアメリカは、2008年の北京五輪で、2002年以降負けなしだった最強国ブラジルを破り、1988年大会以来の金メダルを獲得。残念ながらロンドン五輪では5位に終わったものの、北京五輪でもアシスタントコーチを務めたジョン・スパロー氏を新監督に迎え、ベテランから若手まで豊富な人材を集めながらも着実に世代交代を図り、王者復活を目指している。注目は、202㎝の長身が魅力のマシュー・アンダーソン。長きに渡りベテランの活躍が光っていたアメリカに新風を巻き起こしたエース。

■世界ランキング:4位
■12年ロンドン五輪:5位

■グラチャンの成績
93年:5位
97年:不出場
01年:不出場
05年:2位
09年:不出場

注目選手
1 アンダーソン ロンドン五輪メンバー。高い得点能力でチームのエースとして君臨。抜群のルックスも持ち味。甘いマスクで世界中の女性を虜にする。グラチャン出場を決めた北中米選手権ではMVPに輝いた。今大会の得点王候補のひとり。
Matthew Anderson
マシュー・アンダーソン
1987.4.18(26)
ウィングスパイカー
(オポジット)
202㎝/100㎏
360㎝/332㎝

 ロシア(ヨーロッパ王者)~初出場~

ロンドン五輪金メダル 圧倒的な高さで大陸王者の頂点を目指す

2012年のロンドン五輪決勝では世界ランキング1位のブラジルに勝利し、ソ連時代の1980年以来、32年ぶりの金メダル。決勝は2セットを先取されてからの大逆転劇だった。チームの主力は若き大砲ミハイロフ。チームNo.1の長身は218cmムセルスキー。まさに高さを誇るロシアの象徴だ。今回、ヨーロッパ王者として臨むロシアはグラチャン初出場。ロンドン金メダルの勢いそのままに、大陸王者の頂点を目指す。

■世界ランキング:2位
■12年ロンドン五輪:優勝

■グラチャンの成績
初出場

注目選手
17 ミハイロフ 輝かしいタイトルがズラリと並ぶ。20歳で出場した北京五輪で銅メダル。10年ワールドリーグでベストスコアラー・ベストスパイカー獲得。10年世界選手権でもベストスパイカー。11年ワールドカップMVP。 12年ロンドン五輪ではベストスコアラー・ベストスパイカーを獲得し金メダルに貢献。
Mikhaylov Maxim
マキシム ミハイロフ
1988.3.19(25)
ウィングスパイカー
(オポジット)
202㎝/103㎏
345㎝/330㎝

ブラジル(南米王者)~6大会連続6回目出場~

グラチャン3連覇を狙う世界王者

卓越したボールコントロールと南米独特のリズム、鍛え上げられた超スピードバレーで王座に君臨し、数多くのチームから羨望を集めても、なお挑戦し続ける。それがブラジルだ。昨年のロンドン五輪では、2セットを先取しながらもロシアに逆転で敗れるという屈辱を味わった。自国開催となる2016年のリオ五輪で2004年五輪以来となる金メダル奪取を目指し、スタートしたブラジル男子バレー。世界中のバレーボーラ―が目標にしてきたジバらが、エントリーから外れ、若い選手たちが主力として今回のグラチャンバレーにやってくる。注目はレゼンデ監督の息子でもあるブルーノ。前回のグラチャンバレーでも優勝に貢献し、ベストセッター賞を獲得した。また、ジバの後継者としてブラジル国内で人気急上昇中なのが、21歳のルカレッリだ。卓越した身体能力で得点を量産する。

■世界ランキング:1位
■12年ロンドン五輪:2位

■グラチャンの成績
93年:2位
97年:優勝
01年:2位
05年:優勝
09年:優勝

注目選手
1 ブルーノ ブラジルの超高速バレーを操る司令塔でありキャプテン。名将レゼンデ監督のDNAを受け継ぎ、世界最強のブラジルバレーを牽引する。ブラジル国内でも人気No.1で、黄色い声援が試合中、常に響き渡る。親日家でもあり、ブラジルで寿司ラウンジを経営している。
Bruno Rezende
ブルーノ・レゼンデ
1986.7.2(27)
セッター
190㎝/76㎏
323㎝/302㎝

イタリア(FIVB推薦国)~2大会ぶり3回目出場~

グラチャンバレー初代王者イタリア

2010年から、べルート監督が就任。昨年のロンドン五輪では銅メダルを獲得し、今年のワールドリーグも銅メダルに輝くなど、かつての黄金時代の復活を目指し、更なる強化を進めている。注目はベット―リ。ヨーロッパ選手権でもベストスパイカーに輝いた若手のホープだ。また、205㎝のミドルブロッカー、ベレッタも若手の注目株だ。 かつてモスクワ五輪の金メダリストである名セッター・ザイツェフ氏の息子、イバン・ザイツェフも着実に力を付けてきており、ヨーロッパ選手権ではベストサーバーを受賞した。イタリアは2005年大会以来2大会ぶりのグラチャンバレー出場となる。

■世界ランキング:3位
■12年ロンドン五輪:3位

■グラチャンの成績
93年:優勝
97年:不出場
01年:不出場
05年:3位
09年:不出場

注目選手
4 ベットーリ イタリアのポイントゲッター。コントロール力のあるスパイクが特徴。ヨーロッパ選手権決勝では、ロシアの選手も含めトップとなる21得点をたたき出した。今やイタリア国内でスポーツ記者、バレーファンから、圧倒的な人気を誇るイケメンでもある。
Luca Vettori
ルカ・ベットーリ
1991.4.26(22)
ウイングスパイカー
(オポジット)
200㎝/95㎏
345㎝/323㎝

イラン(アジア王者)~2大会連続2回目~

近年急成長を遂げた“アジアの脅威”

ジュニア世代の活躍には定評があったが、ここ数年、シニアでもアジアのトップチームとして着実に成果をあげている。イタリア代表を世界選手権で2度のメダルに導くなど世界の名将として知られるジュリオ・ベラスコ監督を招へいし、2011年地元開催となったアジア選手権で初優勝を飾り、アジアチャンピオンとしてワールドカップに出場。ロンドン五輪最終予選では初のオリンピック出場まであと1歩まで迫った。今シーズンは若手も台頭が著しい中、チームの軸として活躍するのはセッター、マルーフだ。これまでイランの成長を支えてきた名セッター。そして前回のグラチャンでも日本中がそのサーブに驚いたザリニも健在。悲願であるオリンピック出場に向け、イランの戦いに注目。

■世界ランキング:12位
■12年ロンドン五輪:不出場

■グラチャンの成績
93年:不出場
97年:不出場
01年:不出場
05年:不出場
09年:5位

注目選手
7 ザリニ ミスが少なく、チームのピンチを立て直す能力を持ったウィングスパイカー。激しいリアクションや明るい性格でチームを盛り上げる。サーブも世界トップレベル。コートに入る際は、神への祈りを忘れない。
Hamzeh Zarini
ザリニ,ハムゼ
1985.10.18(28)
レフト
198㎝/98㎏
351㎝/330㎝