2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選

11月17日(火)よる9時~11時14分 日本テレビ系にて生中継!! 解説:都並敏史・北澤豪 実況:田中毅 カンボジア代表 対 日本代表

ハリルホジッチ監督 独占インタビュー

カンボジアとはホームで3対0の勝利(9月3日)でしたが、振り返ってどうですか?

私は満足していませんでした。このチームはもっと出来ると思っていました。勝ったことには満足していましたが、もっと効果的になれる(得点できる)と考えていました。
少しショッキングだったシンガポール戦(0-0で引き分け)の後で若干プレッシャーを感じていたのかもしれません。カンボジアがどのようにプレーをしてくるか初めから知っていたからです。今度のアウェーでも同じようになると思います。

人工芝でのプレーですね。

我々は初めて人工芝でプレーします。素早くピッチに適用しなければなりません。ボールの転がり方も違いますし、バウンドも異なります。ただし、カンボジアがどのようにプレーしてくるかは完璧に理解しています。

カンボジアのチームの印象をお聞かせください

彼らは同じように引いてカウンターアタックを狙ってくるでしょう。ホームでの試合はスタジアムが満員になりますし、熱狂的なサポーターが後押しするでしょう。彼らのカウンターアタックには気をつけなければなりません。彼らには問題を起こせる良い選手が何人かいます。
我々は守備面で警戒して集中してオーガナイズしなければなりません。攻撃面では出来る限り早く得点をすることです。

前回は先制点を取るのに25分かかりましたが、どのような原因がありますか?

私も1分で得点したいと思いますよ。でも簡単に注文して得点できるものではありません。下がったチームですと難しくなることが多いです。
ダイレクトプレーに必要なフィジカルの能力は我々にはありません。ビルドアップをして構築していかなければなりません。速いプレーでグラウンダーのパスによって得点を目指さねばなりません。
ロングボールを放り込むことができるチームもあります。それによりチャンスを作って得点することができます。我々は持っているクオリティに基づいた異なる方法で得点するのです。

実力的に上である日本選手に対して、カンボジア戦で何を求めますか?

申し上げた通り、可能な限り早く得点することです。高い位置でプレーをして出来るだけ高い位置でプレスをかけます。特にボールを失った後です。
それから(守備)ブロックのバリエーションを増やすことです。時には少し下がって、わざと相手を誘い出すことも必要です。相手チームの守備を前へ来させてボールを奪った後すぐに前へ運ぶのです。
相手チームが守備のポジションを取らせないように、また下がってブロックを作らせないようにです。
説明するのは簡単ですが、実行するのは難しいです。
また、新しいピッチにも順応しなければなりません。当然クオリティは我々が上ですが、前もって勝てるわけではありません。相手は勝利をプレゼントしてくれません、勝利を探しに行くのです。これは非常に重要な事です。

さらに上に行くために、今の日本代表に足りないことは何ですか?

(対象の)レベルによって違います。限界だってありますので、想像しているレベルに行くことができないこともあります。
しかしチームは向上できます。まずはW杯の予選を勝ち抜くことが目的です。
それからW杯に行けば、グループを勝ち抜くことです。これが最終的な目的です。
しかしW杯のような大会では、自信を持ってポジティブなスパイラルになることもあり、さまざまなことが起こります。
前回のW杯では、私のチームは強豪ではありませんでしたが、世界王者にあと一歩で勝つところでした。今でもどうして勝てなかったのか分かりません。サッカー史に残る快挙の一つだろうと思います。
ほんの少しのものが足りなかったのです。もしドイツを退けていたら決勝まで行けたと思います。
自信を得たスパイラルというのはこのようなもので、W杯とはそういうことが起こります。
しかし、もしチームが準備できていなければ、ブラジル代表のように、特にメンタル面で準備ができていなければ、プレスやサポーターからの重圧に耐えることができません。
ですからこのような大会では1ヶ月等の準備では足りません。これは4年サイクルのオリンピック(と同じ)です。4年のサイクルの中で毎年向上していかなければなりません。
良いパフォーマンスと成長を繰り返していくことで、W杯へと進んでいくのです。これが理想的です。
しかし、たくさんのことに責任を持たなければなりません。なぜなら私は選手と過ごせる時間がほとんどないからです。今回はシンガポールで合流しますが、1回か2回のトレーニングを行い、すぐに試合をしなければなりません。1、2回の練習はサッカーでは何の意味もありません。
ですから数多くのことを見ようとしていて、チームに変化を加えようとしています。可能な限り多くの選手を見るようにしています。
もし、ある選手が怪我をすれば、誰かを代わりに入れなければなりません。代わりに入った選手が準備出来ていなければ、決定的な試合において、何年も取り組んできた仕事が消え去ってしまうのです。
時には怪我人が出たり、病人が出たりするかもしれません。コンディションが悪い選手が出てくるかもしれません。とにかく、あらゆることを予想しなければならないのです。
ただし、目的はW杯に行くことです。

「デュエル」という言葉を他の言葉にすると何ですか?

日本では「デュエル」という言葉が理解されないのかもしれないですね。
サッカーはデュエル(戦い)であり、ラグビーもデュエルです。それを避けることはできません。
これまではデュエルを避けるべきだという哲学(考え方)がありました。でもしっかりと組織されたチームと競い合う中、どうやったらデュエルを避けられると言うのでしょうか?
フィジカルコンタクトは避けることはできません。日本ではデュエルを理解していないようです。
サッカーでは接触があるのです。デュエルを避けるのは、空中戦でも地上戦でも不可能です。(デュエルとは)ゲームの鍵であり、デュエルのないサッカーは存在しません。
フランスでは「デュエルを制するものは試合を制す」という表現があります。空中戦、地上戦、守備でのデュエル、攻撃でのデュエル、サイドや縦でデュエルがあります。
すべての位置でデュエルがある、それがサッカーなのです。

11月5日 @JFAハウス