2.幻想の世界を作る

pict  技術は進化を続けているが、CG映画は相変わらず大変な労力を必要とする。
「海のオーロラ」に登場する細密に造形されたモデルは他に類を見ないほど複雑で、当初はメモリ不足でコンピューターに読み込めないほどだったし、 キャラクターの数十に及ぶ関節すべての座標や表情の変化について1秒24コマそれぞれの動きを設定し、服と体の衝突計算を行い、髪を発生させる作業は、スタッフの神経をすり減らした。
さらに困ったことは、映画にはそういうキャラクターが何人も登場していたことだ!

 それでも地道な作業の末に、神秘的な造形による幻想の深海世界が出来上がり、キャラクターたちには微妙な演技とともに魅力的な性格が与えられた。
さらに、照明の明暗によってシーンの意図を表現したり、よりソフトな映像を意識するなど、立体世界ならではの「奥行き感」を表現するためのさまざまな工夫がなされている。
   
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