工房日誌

♯1 竜巻で飛べるか!?2010/09/19

あらゆるものを空中へと舞い上がらせる自然現象、竜巻。
映画やアニメの主人公のように、竜巻の中に入って空高く飛ぶことはできないか!?
城島「空への夢は果てしないね!」
そんな夢を叶えるべく、城島と松岡は、オリジナル竜巻発生装置をつくることを決意!
大きな竜巻をつくるには、まずはその構造を知らなければ。
2人が訪れたのは、千葉県柏市。東京大学『大気海洋研究所』では、竜巻の発生予測などの研究が進んでいる。ここの副所長で日本気象学会の理事長も務める新野(にいの)教授のもとへ。
教授によると、竜巻発生に最も重要な要素は、上昇気流と横風。
竜巻は強い日射で熱くなった地面から上昇気流が起き、横風をきっかけに回り始めて発達するもの。だが、未だ解明されていない点も多い。
人工的につくるには、やはり大がかりな装置が必要。
まず、熱する地面代わりの大きな面積の確保のため、思いついたのは巨大な器。
埼玉県川越市にあるスペイン料理のお店『西班牙(すぺいん)市場』には、直径4.8メートル、1万人前のパエリアが出来る、重さ2トン余りの巨大パエリア鍋が存在。
28年前には、世界最大のパエリア鍋として、ギネスにも認定されたもの。
これを、貸りることに。
この巨大鍋をクレーンでトラックに積み込みDASHガレージへと運ぶ。
続いて必要なのは、上昇気流をより生み出しやすくしようと考え付いた“ドライアイス"。空気は熱すれば上に。上がった空気は冷えると下へ降りてくる。これを繰り返すことにより、上昇気流を強く押し上げるのでは。
それは千葉県・鎌ヶ谷市(かまがやし)のドライアイス工場『エキポ株式会社』で。
もともと強い圧力を加えられ、液体だった炭酸ガスは、大気中に放出されると、気体と個体に分かれ、凝固した方がドライアイスとなる。
その塊はマイナス78.5℃。
こちらでは、密度の高い、丈夫なドライアイス・ブロックを作るため、細長いペレットというチョーク状の状態に加工した後、任意の形に固め直す。
次は、鍋で熱する液体。つまり上昇気流そのもの。
空気を熱するだけでは、肝心の気流の様子が分かりにくいため、揮発性が高く、熱したときにより気体になりやすいものを使いたい。
水が水蒸気となって上昇するのは、沸点の100度近く。ならば、より大きな上昇気流を生むためには、一気に蒸発する身近な液体“お酢"。
家庭用の酢は、酢酸やアルコールを含み、揮発性が高い。
さらに、蒸発の際に空気中の水分をより取り込むとされ、蒸気が白くなり、見えやすいという利点もある。
鎌ヶ谷市内にある『私市醸造(きさいちじょうぞう)』は、大正11年から酢の製造販売を行なっている老舗工場。
こちらでは静置発酵法(せいちはっこうほう)という、木樽に入った酢の温度を40℃程に保ち、長い期間をかけて酢酸菌を発酵させて、まろやかに仕上げる製法で酢を作っている。
さらに、通気発酵法と呼ばれる近代製法は、酢酸菌に空気を送って、短期間で発酵を促進させる製法。これで作られる酢は、木樽で作る4パーセントを遥かに上回る10パーセント。
食品の殺菌や洗浄に用いられる、この高酸度の酢ならば、より強い上昇気流を生むのではと、こちらを入手。
上昇気流の条件である、巨大鍋、ドライアイス、お酢をそろえた。
これに、横風はガレージにある扇風機4台を利用。そして組み立て。
10畳ほどの巨大パエリア鍋に、500リットルの酢を注ぐ。
ドライアイスは。鍋を囲む形で並べ、上昇気流を下から押し上げる仕掛け。四隅には角度を調整した扇風機をセットし、横風を当てる。
ガレージ内、竜巻発生への準備は整った。
14台のコンロに、いよいよ着火!
鍋の上に上昇気流ができるのを待つこと40分。70℃に達した酢から蒸気が発生しだした。
そこで、鍋の縁から円を描くように扇風機で風を送ってみる。
すると10分後、蒸気が回転しながら集まり、竜巻の形に。
蒸気がさらに激しく昇りだしたので、縁に沿っての横風をもう一つ増やしてみる。このまま、強力な渦になってくれるか?
ところが、今度は空気の渦すら出来ず。つまりは、横風が過剰だったということか。
教授「風は弱い方が良い」
上昇気流を回す横風は、あくまできっかけのみ。
教授から「上部に上昇気流を助けるものが必要」と更なる提案を受け、急きょ大パワーの送風機を調達し、鍋の上にセットする。
これが上昇気流を吸い込む形となり、竜巻を作れるはず。
送風機が回り出すやいなや、竜のごとく上にのびて渦巻く気流が出現!
まさしく竜巻。その高さ約4メートル、直径約60センチ!
しかし、新野(にいの)教授曰く、このシステムでは、この規模の竜巻が限界。
松岡「竜巻はできたけど… 飛ぶことは無理だね」
ならば、奥の手、自分達の“分身"を空中へ。
発泡スチロールで人の形に削ったTOKIO5人全員、竜巻で飛べるのか。
太一、長瀬、松岡、達也とことごく竜巻に弾き飛ばされるなか、夢を叶え、竜巻に乗ったのは、一番飛びたいと願っていた城島だった。
この竜巻を人形の大きさから換算すると、直径10メートル、高さ57メートルの大竜巻!
竜巻に留まらず、自然現象へのさらなる挑戦は続く!

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