ここで最初の仮組み、削ったほぞ穴にほぞを差し込む。はまりやすくするため、ほぞの角を落とす「面取り」をして、いざ差し込んでみると…入らない? そこで叩きながら差し込んでみると、徐々に入っていくが今にも割れそうで恐い…そしてようやくはまり、接続部分の感触を確かめてみると、しっかりはまっている! 達也のほぞ穴づくりはさらに続くが、周囲はやけに静か…他の生徒たちはお昼ご飯だった。食事を忘れて打ち込む達也、すると棟梁が気づいた…達也の削りかすがはじめは細々としていたが、ちゃんと形になって出てきており、ノミ使いがテンポ良く力強くなってきた! しかし、達也はやっぱり腹ペコだった。削りかすが「シャケ」に見えてきたらしい…。


続いては、「腰掛け蟻継ぎ」…接合部分を台形に削ってはめ込むという、複雑なノミ使いが要求される技。引っ張りやねじれに強く、最も多用される方法でもある。まずは凹部分、鋸で斜めに切り込み、さらにノミで削る。この接合部分は特にキレイに仕上げないと差し込む側がうまくはまらない。次に差し込む側の凸部分、こちらはノミだけを使ってピッタリはまる角度に削る。そして緊張の差し込み。金槌で静かに叩くと、少しずつキレイに入っていくが…最後のところで凸側の角が欠けてしまった! だが、この程度なら問題なし。作業はさらに続き、再び差し込み…強引に押し込むと今度はうまくいき、棟梁から「上出来!」とお褒めの言葉が出た! 胸を張って周囲にアピールする達也、ところが他の生徒は誰も見ていなかった…。


今度は壁となる板を差し込むため、骨組みに溝を掘る作業。ここで使うのは「電動溝切り」…内部の丸い鋸の刃がうねりながら回転することで、削る部分に幅が出来て溝となる仕組み。達也ははじめてにもかかわらず、この作業も見事慎重にクリア!