ところで作業の進む杉和紙だが、長瀬が一晩置いた紙の状態を見てみると、杉和紙はほぼ水分が抜け、繊維が細かく絡み合って紙を形成している! 長瀬はだいぶコツを掴み、作業も一段と弾みがつく。順調に枚数を重ね、遠藤さんとの息もピッタリ!


一方、白菜和紙の具合だが、質は全部バラバラ…薄く作った白菜の繊維はどれも和紙とは程遠い有様。手探りの続く達也と清、気を取り直して再挑戦! 薄くすくっても紙にはならないことが分かり、清が厚めにすくってみると、潰しきれずに形を留めた白菜が出てきた。今度は漉き枠のギリギリまで浸してみると、液の重さで持ち上がらない…。踏ん張る清に達也も加勢すると、揺すった反動で大事な液をこぼしてしまった! 注意しながら再び漉き枠いっぱいにすくい、液がなくなるのをじっくりと待つ。


その頃、長瀬の紙漉きはみるみる向上しペースも上がる。1枚ごとに、後で取りやすいようヒモを挟んで水切り。真剣な眼差しの長瀬、すべての作業を1人黙々と2時間続けっ放し!

そんな長瀬を羨ましそうに見つめる男…達也! 白菜和紙は依然として危うい手漉きだが、繊維をたっぷりすくい取る方法を信じるしかない。ところが繊維の絡み合う力が足りないのか、どうしても隙間ができてしまう。そんな時は隙間に繊維を足して指先で形を整える…大丈夫なのか? 中々コツが掴めず、1枚作るのに思わぬ手間暇。