稲穂が現れるようになる「出穂」を迎えた8月。
ここにきて男米は、大きな問題を抱えていた。
たかねみのりは出穂しているが、ひとめぼれはまだ穂が見られない。
元々、この二つは出穂期が違う品種。例年だと、たかねみのりは8月1〜6日頃、ひとめぼれは8月4〜10日頃である。
そこで、二つの品種の出穂する8月4〜6日にかけて受粉させようとしていた。

しかし、
達也「いや、これマズクねぇ?」
男達の顔色が一変する事態が起きた。
ひとめぼれの一枚の葉を取り出す城島、
「葉が死んでるやんか・・・」
稲の葉が枯れていた。いもち病がひとめぼれを襲ったのである。
達也「まずいよ、このままじゃあ」


いもち病にかかったのはは梅雨の長雨と度重なる台風が引き起こした日光不足と低温が原因。特にひとめぼれはこの気象条件にすごく敏感な品種である。
このままでは、開花時期が全く異なり、互いが受粉出来なくなる。
つまり、混合米は出来ない。

達也「今年は何としても成功させたいのに・・・」
太一「・・・」

黙って稲を見つめる太一。
だが、太一にはある考えがあった。
炭窯の中に竹を並べる太一。竹炭を作るのかと思いきや、本当に得たいものは煙の成分。そう、この煙を冷却して得られる竹酢液を作っていたのだ。
竹酢液は消毒や殺菌の効果が木酢液の3〜4倍ある。
これを使って、ひとめぼれを救いたい。
バケツいっぱいに溜まった竹酢液を小分けして、稲の病害対策に打ち込む。
太一「いもち病から守るぞー!」