一方、長瀬が手がける小麦の方は大丈夫なのか?
包んである布をほどき、中を開けると・・・
長瀬「くっさー!!納豆みたいだよ」
米とは違い、腐敗臭が辺りに広がる麦麹。こちらも順調ではないのだろうか?
孝子さん「こういう匂いなんですよ、麦は」
こちらの方は、他の菌が混ざった形跡も無く成長に問題なし。

それぞれ作った麹の花を、茹でてつぶした大豆としっかり手で混ぜる。
長瀬「こんな味噌見たことなぁーい!」
匂いにまだ慣れぬ長瀬は、眉間にしわを寄せたままだ。


これに味付けと雑菌の繁殖を抑えるために塩を加えて、
さらに混ぜ、発酵させるための樽へと移す。

孝子さん「強く投げつけるように樽に入れとくれ」
投げつけることで余分な空気を追い出す。
これもおいしい味噌をつくるための先人の知恵。

城島「おいしい味噌になぁーれ!」
しっかり投げる城島。
長瀬「匂いが無くなぁーれ!」
こちらの願いは通じるのか?

仕込みは完了。蓋と重石を載せ涼しいところに味噌を寝かせる。


夏野菜の収穫が最盛期の8月。
八ヶ月の熟成期間を経た二つの樽。
味噌は順調に出来ているのだろうか?まずは米麹の味噌を見る城島。
「うわっ!なんやこれ?」
茶色は濃くなり味噌の色に近づいてきたものの、
表面には白と黒のカビが繁殖。
孝子さん「黒カビはよくないんですね」
呆然と立ちすくむ城島。

しかし、黒カビは表面だけ、中の方には繁殖していない模様。
孝子さん「黒カビだけしっかり取り除けば大丈夫」
そのアドバイスにほっとした城島は、丁寧に黒カビの部分を一つも残さず除去する。

一方、長瀬の小麦味噌。
長瀬「あ、きれいな色だ。匂いもきつく無くなったし」
余計なカビも無く、順調に熟成続ける小麦麹の味噌。
孝子さん「うん、よく出来てるね」
名人からのお墨付きも頂き、発酵を促すため
底の部分からしっかりかき回す「天地返し」作業に。
黒カビを除去し終えた城島の米味噌も天地返しを行う。
熟成はようやく最終段階に。