しかし、細く長く育つように手間隙かけて育てたゴボウは、長雨の影響で短く太さはバラバラ。
この太さの違いを何とか活かしたいと城島、金平用に短冊状に切ったものとは別に、更に太いゴボウは輪切りにする。
そして、人参も同じように輪切りにし、これを鉄鍋で炒める。
これに砂糖と酒、仕上げに唐辛子と胡麻を振って、短冊切りの金平とは別に、見慣れぬ丸い金平が出来上がった。


その隣りでは、二本の包丁でトコトコトコ、とまな板の音が鳴らせる保原。
保原が叩いていた物は、白身魚の「アイナメ」と「イシモチ」。
実は保原、御節料理を盛り上げようと、朝一で明雄さんと海に行き釣り上げてきたのだった。

この白身魚を使って、御節に欠かせない食品を作ることに。
それは、「手作り蒲鉾」。
叩いた魚をすり鉢で擂って粘りを出し、これを竹筒に入れて蒸かす。
果たして、手作り蒲鉾はうまく出来上がるのか?


その頃、達也は七輪に焼き物、かまどで煮しめの両刀作業をこなしていた。
二の重に詰める焼き物は、ナス、カボチャ、山芋、など素材の味を素朴に活かして仕上げる。
そして、三の重に詰める煮しめは、保原と城島の食材も使っていた。
保原は、残ったアイナメを焼き、それを昆布で巻いて干瓢で縛る。
城島「昆布を使うと、正月っぽい料理になるな〜」
達也「よろこんぶ、だからね!!」
そう、昆布は「よろこぶ」という語呂合わせの縁起物。