ところがもう1つ、意外な問題が起こっていた。
人には気づかない甘い香りにつられてやってきたのか、葉っぱの裏に大量のアブラムシがついていたのだ。このアブラムシは葉や茎から汁液を吸うだけでなく、排泄物の影響で植物に病気をもたらすこともある。明雄さんが持ってきてくれた木酢液を吹きかけてお引取り願おう。城島、達也で葉の1枚1枚を入念にチェック。しばらくこの作業は怠れない作業になりそうだ。

徐々に現れてきた網目が果実全体を覆いだしたのは、開花から25日目。
見違えるほどに生長したメロンに、一同は歓喜の雄たけびをあげる。
店頭に並んでいる商品と比べてしまうと網目は粗いが、男たちの前にはくっきり網目の現れたメロンができていた。そして達也は見つけてしまった。「山口メロン」という変な網目のメロン・・・。もちろん偶然にできたわけではなく、「傷が網目になる」と知った城島が、以前こっそりと傷をつけていたのだった。

ここからは中身をさらに甘く成熟させる時期。
収穫までの20日間は徐々に水を減らし、甘くなるように努めなければ。
微妙な水加減に気をつかう中、DASH村は盛夏を迎えた。
北登が涼しい影を好んで歩き始め、カブトムシが村に訪れてくれる季節。
そして、まぶしい光に包まれながらリンダは産まれてきた。
だが喜びもつかの間、ヤギ小屋のお隣ビニールハウスでは、メロンが大変なことになっていた。