期待高まり迎えた8月。
だが、今年も男たちの夢を打ち砕く夏の魔物がせまっていた。
暑さも右肩上がりに上昇し、それにともない苗もどんどん伸びていった。
立ち上がった保原がすっぽり隠れてしまうほどの草丈の長さ。
太一「サトウキビと同じくらいの高さになりそうだね・・・」
葉も大きく高さも見事に育った長丈米の田んぼを眺める太一。
太一「ほんとキレイだよねぇ」
青々としげった稲を見渡し満足げな太一であった。

ついに出穂を迎えた長丈米、その出穂は男米に遅れること2週間。
しかし、夏の魔物はすぐそこにまで来ていた。
8月も半ば、木々のざわめきとともにやってきたのは、台風16号。
村を吹き抜ける暴風に不安のよぎった保原が、明雄さんとともに稲のもとへと走った。 その草丈の長さから風に弱いのではと心配された長丈米だが、今のところ問題ないようではあった。 しかし、その後も台風の猛威は立て続けに日本列島を襲い、保原に気の抜ける日はなくなったのだった。

そして台風一過のある日、
山口「傾いてる・・・」
長瀬「台風でやられてるね・・・」

見事になぎ倒された長丈米の稲。
明雄さんいわく「まだ大丈夫」とのことだが、昨年の轍を踏まぬためにも、手を打っておくにこしたことはない。そこで、長丈米の田んぼのまわりにクイを打ち、田んぼ全体をヒモで囲う処置を施すことに。 こうすることで稲の外側が支えられ、全体が倒れてしまうことを防ぐことができるのだ。
明雄さん「こうすりゃ簡単には倒れねぇだろ」