それは「ストリートリュージュ」。
ストリートリュージュとは、冬季オリンピックでお馴染みの競技用ソリ・リュージュに、車輪をつけてストリートでも楽しめるように改造したもの。
もちろんライダーは仰向けに寝そべった状態でなるべく空気抵抗を減らそうとしている。 これならばトラックの下に滑り込み、自分で歩き落ちてくるであろうぬいぐるみをキャッチできるのではないか!? いや、この方法しかない!!

そこで、協力をお願いしたのは本場アメリカはロサンゼルスに住むというショーン・マラードなる男。 彼はストリートリュージュの大会で世界チャンピオンになった経験を持ち、いくつものタイトルを手にした歴戦のツワモノだ。
この男ならばきっと成し遂げてくれるに違いない!
そんな願いを込めたオファーにショーンは、
ショーン「まったくクレイジーだね。こんなことができるのは世界広しといえども1人しかいないよ。このショーン・マラードしかね。俺にまかせてくれ!」

その頃、達也は依然として回収車の後ろを追走中。
ぬいぐるみは動きを続けたまま、荷台のへりまで残り数cmのところまできている。そして回収車はそのまま、降りの長いコースへと入っていった。
このコースの降りは5Km。この5Kmがストリートリュージュにとって挑戦の舞台となる。だが、動力を持たないストリートリュージュにとって下り坂の終わりは走行終了を意味する。 最初で最後のこのチャンスに全てを賭けることとなった!