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御厩敷さん「跳ねた!」
それを聞き、海面を確認する長瀬。
長瀬「あーっ、ほんとだ!」
船団とは別の方向に、大海原を飛び跳ねるマグロが見えた。
その姿を目にし、2年前のあの光景がよみがえる。
しかし、それに気付いたのはもちろん長瀬たちだけではなかった。
周りの船たちも移動していくマグロの位置を予測し、一斉に動き出す。
おちおちしてはいられない。長瀬も急いで移動。次に釣り上げるのは自分だ! |
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もうすでに、漁を開始してから5時間が経過していた。
回り込んでその中心入ろうと、船団を追いかけていく。
そして、船団の前に出ることが出来た、つれたか丸。
そこで長瀬はすぐさま仕掛けを流し始める。
しかし、他の船はつれたか丸をおいて、どんどん先へと移動。
長瀬の予想とは別の場所で次々とマグロを釣り上げていく。
長瀬「ちくしょぉー」
マグロの動きを読むことが出来なかった長瀬。
アタリのこない指先から力が抜けた・・・。 |
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そして日は傾き、港からは夜間に漁を行う延縄船が出港していく。
昼間に漁を行う一本釣りは、もう港へ戻らなくてはいけない時間になっていた。
御厩敷「・・・あがろうか?」
長瀬「ちくしょうぉ」
心から湧き上がる悔しさを抑えきれなかった。
しかし、大間の海を見つめるその目は決して諦めてはいなかった。
マグロは確かに、この海にいる! |
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