小屋もでき材料も揃ったところで、ついに鍛冶場に火を入れる。
今回、男たちが作るのはナタとクワ。どちらも村の生活には欠かせない道具なだけに、鍛冶作業にのぞむ達也の姿勢もいつになく真剣な様子。
まずは、平治さんの指示に従い炉の温度を600度まであげ、その中で元となる大きめのかすがいを熱する。
かすがいが赤くなったらさっそく第一段階の「鍛錬」。かすがいが熱いうちに先を叩き、曲げてゆき、さらに皿状に広げてゆく。

しかしこれだけでは鉄の量が足りないので、ここでさらに釘などを足していかなければならない。
そこで、わらを燃やして作った黒い灰に赤土の泥をのせ、広げたかすがいの上に釘と一緒に置いて熱する。
これは「沸かし付け」といい、1300度の高温を必要とする作業。
炉の炭は今まで見たことないほどに熱く光り、だがそれでもまだ足りない火の勢いをふいごで加速させる。

1300度の激しい炎に置くこと10分。
リーダー城島の手によって釘とかすがいが叩かれ、鉄がひとつにまとまった。続いてすぐさま2人がかりでその鉄を強く打ちつける。
こうすることで鉄から不純物が飛び散り、徐々にその強靭さを増してゆく。
小屋の外では雪がしんしんと降り始めるが、男たちの熱い作業はまだまだ。
ここまで鍛錬した鉄を2つに折り曲げ、再び平らに広げてゆくと、ようやく厚さ1cm、長さ40cmの板状にまで延ばし、形になってきた。