井堀さんの見解では今のままではできないという。
もともと陶器用に作られた登り窯は高温にあげる構造の為、煙道の吸い込み口が複数存在しているため、吸い込みが強すぎるという。それを、吸い込みをひとつにして微妙な空気調整ができるようにすれば可能とのこと。
そこで、より窯内の熱の伝わりがうまく循環する、との読みで一番奥の口を残し準備完了。

いよいよ原木を窯入れ。窯の奥からみっちりと。しめて80本。
陳列には夕方までかかり、焚き口を残し余分な隙間を埋めていく。窯の温度が逃げないように、念入りに。
焚き口が完成したところで待望の火入れ。期待膨らむも、白炭づくりの難しさはここからが山場。
まずは無事窯内に熱が伝わり、窯内の原木の水分を飛ばす事。
そのためには「火の加減」ともう一つ、煙の色をみて窯内の状態を識別することが重要。

着火より数時間、煙に変化が・・・
白く立ち込める煙は窯内に火が着火した証。
焚き口にも変化が・・・
炎の吹き返しは焚き口を閉じる合図。熱が冷めないうちに手早く!
…が窯の温度はすでに300℃以上。戸惑う安部を見かねて井堀さんも手助け。