ひと作業後には早、夏の夕暮れ、陽の延びと共に気になるのは…
太一「色んな種類のカエルの鳴き声が聴こえる」
水の流れが無く数多くの水生生物がみられる、通称カエル池。
そこには、止水域を好むカエルの中でも、村が始まった頃より棲んでいた馴染み深い“モリアオガエル"が卵を抱えていた。
比較的大きいモリアオガエルの特徴は水辺の樹上に卵を産む習性と、枝をよじ登る為に発達した吸盤。
そんな彼らも山際の水が綺麗な里山じゃないと生きられない。

太一「何か変な鳴き声してない?向こうで」
その声の主は“タゴガエル"。その名はトウキョウサンショウウオを発見した両生類学者の権威、田子先生の功績を讃え、献名したもの。
産卵期には里山から水辺に下りてくるといい、特徴的な鳴き声は聴こえてもその姿は捉えにくい… が、感づいた達也がその姿を発見。
裏側の腹は少し汚れたような模様で、“ヤマアカ"と同じアカガエルの仲間だが、確かに違う。
さらにオスとメスでは色が異なり、同じカエルでも随分と違う印象。

守山先生「タゴガエルの卵だ、ずっと探してたヤツ!」
興奮する里山博士、守山拓弥先生が足元に見つけた卵は、1つ1つが大きく透明で、数が少ない。
タゴガエルが産む卵の数は一度に100粒前後。
大きい理由は、綺麗な沢の溜まりはエサが少ない分、オタマジャクシはエサを食べずに栄養を卵黄から得て成体になる事もあるため。
また、成体までの変態期間も短く、透明で観察しやすいことから、今後宇宙に送り、オタマジャクシの生態を研究しようという計画もあるらしい。
そんな生き物が増えたのは水が豊かで村の自然が1つ豊かになった象徴でもあった。