 |
もっと飛ばす為にはそれなりのバットが必要と2人が向かった先は、富山県 南砺市旧福光町のバット工場。
福光は大正時代からバットの産地として知られ、全国のおよそ4割のバットが作られている。背景には当時バットの材料とされたトネリコの木と木管技術を持った職人がいたからとされている。
バット職人・大内さんの工場には、名だたる選手のバットがズラリ。
見せてくれたのは日本球界を代表する長距離砲、清原和博のバット。
その特徴は先端に重心を置いたもの、つまりは遠心力が効く。
重心が先端に近い程、重心の移動する速さが速くなり、強い力を生む。 |
 |
ホームランが打てるバット作りのポイントは、重心を先端に置いたトップバランスで、反発力があってしなる素材なら飛距離も伸びる。
両方を兼ね備えるにはバットを長くする必要があるが、通常の木材を使用すると、野球素人が使うには重く、相当なパワーがなければ振り抜くことができない。
ならば、軽い素材でスイング速度を上げつつバット自体を長くすれば、より強力な遠心力を得て球を遠くへ放つことが出来るはず。 |
 |
野球規定でバットの太さは7センチ以下、長さは106,7センチと定められていることから、素材は軽くてしなりのあるホウノキを使用。
規定ギリギリ106,7センチで重心を先端に置いた清原モデルを参考にすることに決定。
約110センチのホウノキの角材をロクロにかけ、まずは丸バイトという刃物で荒削り。
バットを作り続けて半世紀の大内さんの手に掛かれば、四角かった角材は、あっという間に円棒に。
グリップから芯の部分を松岡、細かい部分は大内さんが再び加工。
丸バイトで削った表面は、波打ったようになっている為、先の本削りは平たいバイトで行い表面の薄皮を削ぎ落とす。
そして、バットの美しいフォルムに姿を変えていく。 |
|
|