江戸時代から続く古の釣りで、元々は蜂かしらとも呼ばれ、全国各地に伝わりカゲロウなどを模したその種類は数千を超えるとされる。
それを用いて、行われるのがテンカラ釣り。
毛鉤を動かして、カゲロウなどの虫と思わせて魚を食いつかせる。
江戸時代から続く『日光毛鉤』の伝承者で、釣り歴50年の渓流釣りの名人で、明雄さんの知り合いでもある瀬畑雄三さんにお越しいただき、早速、毛鉤を作ってみることに。
自然の物を特徴によって使い分けるのもテンカラの伝統。

例えば、キジの羽毛なら、やわらかさを活かし、目立つ動きをするという。
その代わりの物を狙って、達也が向かったのは、アイガモ達の小屋。
その狙いは、カモ達の黒い羽毛。
夏の魚が黒に反応しやすく、さらに水鳥特有の油が毛鉤に浮力を与えるという。
さらに、名人が使うのは、ゼンマイのやわらかい綿。
食いついた魚が離したがらない食感だというが、これに代わる物は、
城島が狙う、5月に刈ったばかりの羊達の毛。
名人も初めてというこの毛に加え、固くて丈夫な獣の毛の代わりは北登とヤギの毛を使うことに。

材料はそろったが、毛鉤づくりが難しいのはここから。
直径1センチのテンカラ針にまず、下巻きと呼ばれる、毛を巻く上での土台づくり。
隙間無く端まできたら、続いてはカゲロウの胴体となる部分に似せるために、羊の毛を同じように巻く。
強めに巻く事で癖のあるその毛を押さえつけ、羊の毛も見事おさまったが、カゲロウにはまだまだ。