キリンは、斜め折りの構造に、平行四辺形で立体感を加えたものに決定。イメージを膨らませながら、1/10サイズで作ってみる。
次に実物のキリンのデータを元に、どんな素材で作るのかを決める。
実際の大きさに耐える紙となると、段ボールか?
しかし、紙のプロ田さんが選んだものはちょっと違っていた。

その紙は、薄いが中芯が厚く、一般のものと比べ3倍の強度を持つ強化段ボール。そこから全身合わせて計6パーツを切り出す。
そして折り込み線に合わせ、表面に薄く切り込みを入れ、折り込んで順に組み合わせる。
まずはキリンの長い首。折り目正しく接続部を張り合わせていく。
だが、出来上がった首が、上手く折り畳めない。
原因は、首を形成する2つの平行四辺形。
正確に取り付け、平行四辺形が保たれていれば、折り畳むことが出来るが、少しでも、その形が崩れると抵抗となり、畳めない。

平行四辺形の角度を修正し出来上がったキリンを大きな台紙に挟み込む。そして、台紙を開いて、飛び出すキリン…!
と思いきや、高さはあるものの、飛び出さない。
その理由は大きな体を支えるには、脚の強度が足りず自立できない為。
ならば、さらに強い紙、バルカナイズドファイバー。
化学パルプなどから作られた原紙を、塩化亜鉛溶液に浸し、洗浄後乾燥したシ-ト素材。トランクのボディなどにも使用され、その強度は、強化段ボールのおよそ60倍。