大根の葉を切る際は、切り口をできるだけ小さく。
切り口を浅くする理由は、
楽さん「水分が入ると腐ってくるので」
そうして慎重に葉を切り落とした大根丸ごとを、母国からわざわざ持って来たという楽さん愛用キムチ用のカメ『ハンアリ』の中へ。
すべて収まるように、短いものから入れていく。

そして、大根の葉、ネギも切らずに入れたら、材料すべての味を調えるニンニク15個を加える。
さらに大事な役目を担うのが、
楽さん「備長炭ない?」
匂いの分子を吸着することで知られる炭は、カビの胞子をも吸い取る。
一掴みの塩は、日本の漬物と同じく、味付けと殺菌効果、保存性。
村の野菜が、楽さんの腕でどう美味しく変わっていくのか。

叩いて柔らかくし、丸めて入れるワラは落し蓋代わり。
準備は整い、そこへ村の湧き水をたっぷりと注ぎ入れる。
この水がやがて発酵し、美味いトンチミをもたらした後、冷麺のスープになる重要なもの。
最後に、唐辛子も丸ごと5本ほど入れて仕込みは完了。
温度変化の小さい寒さの中でひと月ほど置く。
楽さん「発酵してくると、サイダーみたいに炭酸に変わる」