定男さん「もうだいぶ馴れた」
そこで、背中に乗るときの扱いも教えてもらう。
馬の操作は、右に曲がるときは手綱を右に、左に曲がるときは左に引く。
そして、両方を同時に引くと止まることができる。
馬へのかけ声は「ハイ」の合図で進み、「デー(ドー)」の合図で止まる。
二人は道子を乗りこなせるか?


まずは太一、前には進めるが、曲がる動きがうまくいかない。
さらに、少しでもスピードを上げると、怖くて自ら止めてしまう。
一方、長瀬はスムーズに曲がることもでき、太一がビビった走りも
なんとか止めることなく乗ることができた。
だが、心配なのはそれだけではない。
道子の足には、今後の旅にも影響するある問題があった。
定男さん「蹄(ひづめ)が伸びて痛いから走りたがらない」


山育ちの道子は、蹄を痛めることのない環境で過ごしてきたが、
ここまでの旅で、丈夫な蹄も黄色信号。
馬にとって蹄を痛めることは致命傷。
この先、アスファルトなど固い路面を歩くことで、ヒヅメが割れたり、
欠けたりすると、歩くことさえ辛くなり、感染症の恐れもある。
そこで、足には蹄の損傷を防ぐ鉄具、蹄鉄(ていてつ)をはめる。