そして、木村さんが発見したのは、大きく成長したミドリイガイ。
本来南方に生息する種類なため、冬になると水温の低下で死んでしまうはずだが、大きい個体がいるという事は冬を越している可能性が高い。
木村さん「黒潮の影響もあるかもしれませんね」
日本の南側を沿って北上する黒潮は、日本海流とも言われる巨大な暖流。
東京湾にも流れ込み、生物の多様性に強く影響を与えている。
木村さん「この黒潮が赤潮に有効だったりする」
東京湾に流れ込む黒潮が淀んだ海水を入れ替え、赤潮の要因となる栄養塩やプランクトンを薄める働きがあるという。


黒潮が生態系にどのような影響を与えるのかを確かめる為、向かったのは、東京湾の中でも、黒潮の影響を強く受けている、千葉県館山市の沖ノ島。
黒潮の影響を強く受ける地域では赤潮の被害はほとんどないという。
そして、黒潮の温かい海流の影響もあり、DASH海岸では見ることのない、アオウミウシやウメボシイソギンチャクなど南方の生き物が生息。
さらに、タカラガイやオオヘビガイなどの巻貝の種類が多いのも特徴。
こうした貝の種類が多いということは、生態系の幅が広いということを意味し、豊かな海であるということにもつながる。


海に潜ってみると、自生したアマモが生い茂り、岩場にはメバルの姿。
水深2m付近には、キクメイシの仲間やエダミドリイシなどの南の生物の象徴とも言えるサンゴが群棲していた。
じつは館山は、サンゴの生息する北限域といわれている。
サンゴは生き物の棲み処にもなるため、生物多様性に貢献している。
DASH海岸にも、岩などがあれば、こうした生き物が棲みつく可能性があるかもしれない。