最初に訪れたのは、東京・六本木にある中国・雲南省料理の『御膳房(ごぜんぼう)』。
中国南部の雲南省は、高原と大森林が広がり、豊かな自然に恵まれ漢方薬の9割以上が採れる。
夏には免疫力を高めるために、苦い薬膳料理が食べられる。
最初の一品は、薬膳料理の定番である烏骨鶏(うこっけい)のスープ。
スープは塩味で美味しいが、小さいブロッコリーのような具を味わうと・・・
太一「さざ波のように、徐々に苦味がくる」
苦味の正体は雲南省の特産品で、高麗人参の仲間の“田七人参(でんしちにんじん)"。

霊芝(れいし)、甘草(かんぞう)と並ぶ、中国三大漢方の一つ。
“田七人参"の根は血行の改善や、肝臓の働きなどに良いとされ、古くから粉末にして止血剤としても使われてきた。
また、薬膳料理に多く用いられている花は、苦味成分『サポニン』が豊富で、肝臓や心臓の機能を強化させるという。
料理の作り方は、烏骨鶏でダシをとったスープに身も加え、乾燥した“田七人参"の花と根、クコの実などを加える。
雲南省独特の汽鍋(チーフォー)は鍋の中で蒸気が対流する仕組み。
蒸し器で30分、鍋で蒸して完成。

中国代表、夏バテに効く「田七烏鶏湯(チェンチーウーチータン)」。
必須脂肪酸であるEPAやDHAを多く含む烏骨鶏をベースに、スープは液体なので体への吸収率も高い。
小島さんの測定は苦味度「1」。ゴーヤと同じくらいだった。
さらに、オーナーの徐さんが勧めたのは、蓮の実の芯を使ったお茶。