 |
干潟に近づいてみると、一面のヤマトオサガニの姿が。
ヤマトオサガニは、生物の多様性を支える存在でもあり、ヨシなどの環境を整える存在でもある。
体のサイズの穴を掘り、干潮時や敵が来た時は隠れている。
そして、その棲み処の土壌は、驚くほどのシルト質。
城島「土が全然違う」
それは、ヨシと生物の相乗効果によるもの。
ヨシが茂ればそこでせき止められた細かい粒子の堆積物や栄養が溜まり、そこに生物が棲みつき、ヨシがまた生長するという自然の巡回。 |
 |
安元さん曰く、これらのカニが、ヨシの根に栄養を与えるという。
抽水植物のヨシは地下茎から、毛細血管のように根を這わせる。
そこにカニなどの底生生物が穴を掘り、土壌を耕すことで、空気や汽水の栄養が根元に届き、生長することができる。
城島「カニとかがいた方がいい訳ですね」
つまり、シルト干潟の穴を掘るヤマトオサガニやトビハゼ、シジミなどの撹拌生物との共生することで、ヨシには栄養が、カニや貝などの生物には食物や棲み処ができる。
達也「それが大事なのか」
しかし、DASH海岸では、川などの淡水からの土砂の供給が乏しく、シルトなどの泥が溜まりにくい為、ヤマトオサガニが棲みつける環境がない。 |
 |
そこで、安元さんは、シルト干潟から川下300m先の干潟にヨシの茂るDASH海岸に似た環境があるという。
城島「DASH海岸のヨシ畑の土っぽいね」
達也「土が固いですね」
この場所で栄養を供給するのが、チゴガニ。
コメツキガニよりも一回り小さい。
このチゴガニが、砂質のヨシ原に穴を開けるという。 |
|
|