砂地を好むチゴガニがこの場所に、一方でシルト・泥地ではヤマトオサガニというように、地質の違いで生物が棲み分けをしていた。
そして、水面下には、DASH海岸にはいない貝の姿も。
それは、貝殻が非常にもろく、薄衣(ウスギヌ)とも呼ばれるソトオリガイ。
このソトオリガイだけでなく、マテガイやゴカイなど撹拌生物。

泥にはいない、砂地ならではの様々な生物が穴を掘ったり、ヨシの周りで糞をしたりと、ヨシと密接な関係を形成している。
安元さん「ここにいる生物だったら、DASH海岸のヨシに栄養を与えるかもしれない」
そして、目指すウナギもまた、その環境形成に欠かせない存在だという。
そこで水防センターでウナギのその効果を見せて頂く。
泥を入れた水槽にウナギを離してみると、みるみるうちに泥の中へ潜っていった。
ウナギは夜行性で、昼間は泥や土に穴を掘って隠れる習性がある。
こうしてウナギが掘った穴から、ヨシの根元に栄養が行く。

多摩川を訪れてわかったのは…
達也「足りないのは、生物と栄養」
生物とのバランスが悪いDASH海岸のヨシ原。
まずは、ヨシの根に栄養を供給する生物がいるのかを確認することに。
顕微鏡で、汽水プールの水を調べてみると、甲殻類とゴカイと二枚貝の幼生を発見。
しかし、まだまだ穴を掘る程までに成長するのはあと一か月程かかりそう。
そこで、側面に穴を開けた竹筒をヨシの周りに5本差す。
この竹筒に栄養豊富な赤潮の混じった汽水が流れれば土が撹拌され、空気が混ざることで土も柔らかくなるはず。
これでヨシは回復するのか?