だが、もうひとつ気がかりがあった。
1週間前までは海底を緑に染めていたアマモ。
達也が潜って確かめるが、30p程に育っていたはずの葉は見当たらない。
達也「根しか残ってない」
木村さん「青潮で、たぶん硫化物にやられたんですよ」

貧酸素状態で産まれる毒性の強い硫化水素により、アマモの葉は全て枯れてしまった。
しかし望みは、葉を失っても、根に生きた生長点が残っていたこと。
生長点からは新しい根と葉が作られる。
つまり上手くいけばアマモを復活させられる。

一方、死んだアサリに覆われた干潟のケアも急がれた。
砂を掘り起こすと、黒く変色し、ヘドロになりかけの状態。
このまま貝殻を残しておくと、日光が遮ぎられ、植物プランクトンの活動が低下、生き残った生き物達も砂から出られずに死んでしまう。
そこで、貝殻をかき集めて撤去することに。
干潟もきれいになり、集めた約10万匹分にも及ぶアサリの殻は…
城島「一度、粉々にして撒けば…」
殻を砕き、ヘドロの上に撒くことで、ヘドロの巻き上がりを抑え、底生生物が棲みやすくなる。

集めた殻を叩いて砕き、入念に洗う。
これを、アマモ畑周辺のヘドロの部分に撒く。
城島「アサリがちょっとでも役に立ってくれれば」
光合成の促進と、底生生物が増えることを願う。
しかし、依然海岸に溜まったままの青潮。
生き残った生き物のために、更に手を打たねば…。