しかもウナギには台風で川の水が濁り、増水した時に川を下るという習性がある。もう近くの河口までウナギは来ているのか?
その調査の為、向かったのは多摩川河口。
台風前ヨシ原に設置した、ウナギ筒の中を見てみると、1匹のウナギを発見。多摩川にもウナギがいることがわかったが、このウナギに棲み着いてもらうにはどうしたら良いのか。
DASH海岸に棲み着くには大きな問題があった。
多摩川のヨシ原は、ウナギの通り道にあり、見つけやすい環境にあるが、DASH海岸はウナギの通り道から離れている為ヨシや餌が揃っていても気付かれず、棲み処として選ばれにくい

その糸口となるのが、ウナギの嗅覚にあるらしい。
そこで達也が向かったのは、八景島シーパラダイスの飼育実験室。
訪ねたのは、東海大学海洋学部教授の庄司隆行教授。
魚類の習性と嗅覚の関わりを研究している庄司教授にウナギの嗅覚についての話を伺った。
夜行性のウナギは匂いを感じる嗅房が発達しており、嗅覚は人間の1000万倍程もあるという。
さらに、
庄司教授「水に溶けたアミノ酸に敏感なんです」
タンパク質の主成分である様々なアミノ酸は、主に旨味や栄養の元として知られているが、ウナギを始めとする魚類は水に溶ける特定のアミノ酸を匂いとして感じ取り、捕食行動に役立てているという。
庄司教授「アミノ酸の匂いを与えれば、本来居ない場所にも来る可能性は十分にある」

しかし、DASH海岸のヨシ原は、海まで300mも離れている。
そこで、教えてもらったのが、かつて三重県でウナギを獲るために行われていたモロコ漁。
茶碗に酒粕を入れて、ウナギをおびき出していたという。
酒粕には米由来のアミノ酸が18種類含まれており、ハゼと同じアスパラギン酸(アミノ酸の一種)を多く含むという。
早速、海岸で試してみる事に。酒粕を水で溶かし、アミノ酸を抽出。不純物を分離させる為にサラシ袋で濾しとる。濾した汁にゼラチンを混ぜて、アミノ酸を固める。