プレハブとは違い、木のぬくもりを感じるログハウス。
工事は遅れていたものの、寒さ対策で窓を二重サッシにしたり、希望者には畳を入れたりと、住民の要望には柔軟に応えてくれている。
だが、住民同士のコミュニケーションはそれほど多くないという。
そのため、集会場などで意識的に集まることもある。
色んな思いを抱える人たち、その心情を察して常に話をする。
そこには、会話一つ取っても難しい現実があった。

新山さん夫妻の日課、ナナとソラの散歩に同行。
外に出て改めて、その閑散とした雰囲気に気付く。
そして、歩いていて思い出すのはDASH村の景色。
と、この冬の時期、見慣れない実の付いたままの柿の木。
二本松市は今はまだ、比較的放射線量が高い場所が多く、干し柿を作るのを控えているため、生りっぱなしの柿も多い。
さらに、田んぼは刈り取られているようだが、出荷はできたのか?

米農家を営む、太一と同じ名字の国分さんに話を聞いてみる。
二本松市の一部の農家が生産した自家用の米から、国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され、出荷が控えられていたものの、国分さんの米は不検出だったため、無事出荷できたとのこと。
しかし、国分さんの自宅の庭も以前は、今よりも放射線量が高く、芝を入れ替えることで、対応したという。
そんな中で、もっと安心した暮しを求め、県外へ離れる人も少なくない。