体の帯が車輪に似ていることが、由来のクルマエビ。
古くは東京湾でも河川近くの干潟や潮干狩りで獲れ、江戸前のクルマエビは最高級品とされた。
豊かな海の象徴とされる程、水質が良く、多様な生物が棲む干潟の申し子とされているが、東京湾では干潟の減少と共にクルマエビも激減。
現在、東京湾では4トン弱の水揚げ。千葉県では稚エビの放流も行われているが、定着するのが難しいという。
木村さん「DASH海岸にクルマエビが棲みつくのは大難題だと思います」
達也「やりがいがあるな、クルマエビ!」

ヘドロが一番溜まりやすい汽水域前の改良は欠かせないが、クルマエビが棲みつくためには、どんな環境が必要なのか?
山口「クルマエビの生態を調査しないといけないなあ」

クルマエビの生態を知るために訪れたのは、横浜唯一の自然干潟である野島干潟。
そこで、いつもお世話になっている工藤さんと、横浜漁協の漁師の早川さんを訪ねた。
工藤さん「クルマエビは、大きな捕食者が入って来られないアマモ場と岸との間の浅い砂地にいます」
クルマエビは、卵や稚エビの頃は浮遊して潮間帯の干潟へ定着する。成体まで成長すると沖の砂地へ移動する。

実際に昨年12月に野島干潟で捕れたクルマエビの標本を、工藤さんから見させていただくと、長い触角が特徴的なのがわかる。
砂に潜ると、その触角がセンサーの役割を果たし、外敵などを感知するという。
昔は熊手で砂をかいてエビを驚かせ、後ろに逃げたところを網で獲る「エビマキ」と呼ばれる漁法があった。
早川さん「小さいクルマエビのサイマキを獲ったり、クルマエビを獲るのに使った」
漁師歴60年の早川さんは、現在も野島干潟でクルマエビを捕まえている。
実際にやってみると、アサリやヨコエビが網にかかった。