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一方、京都の松岡は京田辺市。
訪れたお寺は、酬恩庵(しゅうおんあん)一休寺。
「とんちの一休さん」で知られる一休宗純が、室町時代、庶民から愛され、晩年の25年を過ごした場所。
ここにも春を告げる名物があるという。
住職「一休さんが考案した食べ物があります」
それは、一休さんが広めた伝統の納豆“一休寺納豆"。
見せて頂くため、さっそく寺の奥の作業場へ。 |
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いくつも並んだ大きな樽の中には、ほのかに味噌のような香り漂う黒く乾燥した物が。
松岡「これが納豆なんですか!?」
鎌倉時代、僧が中国から持ち帰った納豆の作り方をもとに、一休禅師が寺で作ったのが始まりで、当時は調味料として使用。
すべて、昔ながらの手作り、仕込み始めるのは7月。
蒸した大豆に、麦の殻を炒ってひいた、はったい粉と麹を加える。
自然の暑さで発酵させ、毎日かき混ぜながら、自然乾燥していく。
冬は京都の底冷えの寒さで、じっくりと熟成され、春の訪れで仕上がり。 |
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およそ9か月かける、伝統の味。
松岡「けっこう塩っぱいですね」
これをお茶漬けにして頂くことで、いっそう春を感じるとのこと。
一休禅師が愛した枯山水を眺めながら、春の香り・菜の花漬けも添えて。
納豆菌では作らない、いわゆる塩辛納豆。
人々に愛された一休さんが、こよなく愛した味。
松岡「塩加減がいい塩梅、菜の花のほろ苦さも合う」 |
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