群生するのに最も重要なのが、強い地下茎の生長。
達也「この辺も全部地下茎ですよね」
地下茎は、根ではなく、地中に埋もれた茎で、根もタケノコもここから伸びる。
地上同様、節があり、タケノコになる部分は芽子と呼ばれる。
1年目の春、地下茎の芽子から伸びたタケノコは竹に生長し、葉をつけた夏、盛んに光合成をして、地下茎に養分を送る。
2年目の春、竹の秋と呼ばれる葉替わりをし、夏に新しい葉をつけると再び光合成を行い、地下茎へ養分を送る。
そして3年目の春、蓄えていた養分を使ってタケノコが発生。
以後、偶数年で葉が替わり、奇数年でタケノコが発生と交互に繰り返す。

そのため、テープを巻いて色分けし、間伐の際に誤って切ってしまうのを防いでいる。
さらに竹の特徴として
野中さん「竹はもう絶対伸びません。節ごとに生長帯があるんです」
多くの樹木は先端に生長点があるが、竹の場合、約60個の節それぞれに生長帯があり、それらが同時に伸びる。
そうして約40日で生長を終え、その後は伸びも太りもしない。

しかし、その生命力故に、生態系に影響も…。
江口さん「元々、ここは松の山やったんですよ」
マツクイムシの影響などにより、枯れてしまった松林にタケが侵入。
わずか10年程で竹林に変わってしまった。
かつて村でも、ハチクを用途に合わせて、頻繁に切り出していたが、計画的な間伐は行っていなかった。
野中さん「切ることが植えることという言葉が昔から竹の世界にある」
伐採の刺激によって、多くの芽子が目覚め、タケノコの発生量が増えるという。