そこで5年生の、長さ20m、重さ50kgの竹を切り倒し、続いて枝打ち。
野中さん「竹専用のナタです」
通常のナタと比べてみると、ヒツと呼ばれる刃の付け根部分が長い。
達也「刃は使わないんですか?」
野中さん「刃は使ったらダメなんです。」
刃を使うと切り口が鋭く危ないが、柄の部分を使うときれいで簡単に枝を落とせる。
竹を扱う事の多いこの地域ならではの知恵だが、柄の部分の木が痛んでしまうため金属部分を長くした竹専用のナタが生まれた。

ちなみに、枝打ちした竹は竹林に「筋置き」されたり、八女市で栽培が盛んなキウイ等の果樹の支柱にも利用されている。
さらに江口さんは、竹をこちらで処理。
野中「これが粉砕器です」
強力な2枚刃で竹を細かく粉砕し、約8oの竹粉に。
長瀬「こんな粉々になっちゃったよ」
2日前に粉砕し、積んでいた竹粉の中心温度は61℃。
竹はデンプンやショ糖を多く含むため、大量の微生物が集まり、発酵が早い。
さらに竹粉は林にそのまま撒くだけで、手間がかからず、タケノコに養分を与える豊かな土壌になる。

また、八女市は竹炭の生産量も日本一。間伐した竹を竹炭にし、土壌改良剤として再び土に返す循環型農業を実施している。
恵みが多い一方、群れを広げやすい竹は強い地下茎を伸ばし、他の植生を妨げやすい。
八女市では、高齢化や後継者不足により、全竹林面積の約6割は、手が回らず、放置されている現状。
明雄さん「環境よくするために俺 来てやるか!」
人が手を加えることで環境を整えれば、うれしい恵みで応えてくれる。