海苔養殖のはじまりは、イギリスの藻類学者のキャサリン・ドゥルー博士が、それまで別の生物だと考えられていた糸状体が、ノリの夏の姿であることを発見したことに始まる。
それ以前は、経験則で胞子の多いと思われる種付け場で胞子をつけてノリを栽培していたが、糸状体をカキ殻の中で育てるという現代の栽培法が確立。
糸状体自体を培養し、カキ殻に糸状体の状態から付ける事ができ、海の状態を見計らって、網に種をつけ、海で普段食べる姿である葉状体に育てる。

DASH海岸では自分達の手でタネから育て、ノリの生活史を知るためにも昔ながらの方法で栽培する。
2011年4月、カキ殻を集めることから取り組みが始まった。
集めたカキ殻126枚を熱湯で殺菌。
城島「殺菌して何もないところからやる」
殺菌したカキ殻は、1列9枚を紐で繋げて1本に。
こうして繋げたカキ殻は全部で14本。
続いて、光の調節を行うために、農業でも日よけに使われる寒冷紗(かんれいしゃ)を設置。
自然界では、弱まった海中の光で育つ糸状体は光の刺激に敏感。
陸上では、光量を調節し、400〜600ルクスに保つ。
ワカメを育てた小屋を再利用して、ノリ栽培に生かすことに。
生長に適した450ルクスの明るさの中で、海水に浸したカキ殻を設置。

続いて、成熟して果胞子を抱えた葉状体をすりつぶし、細胞壁を破壊、果胞子を取り出す。
取り出した果胞子を布で漉し取り、ジョウロでカキ殻に種付け。
果胞子は0.02mmと非常に小さいため、ちょっとした風でも付き具合に偏りが出てしまうためここからは手早く作業する事が重要。
無風のタイミングを見計らい全体に果胞子入りの海水を蒔き、急いで風よけのビニールと新聞紙をかぶせる。
2日後には、果胞子はカキ殻の内部に入り込み始めているはず。
新聞紙を半透明の波板に変える。