種付けから14日後、顕微鏡で様子を確かめてみると…
達也「すごいじゃん、糸みたいなの出てるよ」
順調に糸状体となっているのを確認。
糸状体が育つ明るさを保ちつつ、さらなる生長を促す。
6月になると、梅雨の合間に見せる厳しい日差し。
種付けから67日目を迎える頃には、カキ殻に珪藻類が繁殖していた。
そこで、珪藻類をタワシでしっかりとこすり落とす。
表面に付着する珪藻類とは異なり、糸状体はカキ殻の中で生長するため、一緒にこすり落とされる心配はない。
太一「生きるための知恵だね」

種付けから80日後の7月には、カキ殻の表面に黒い粒が見えるようになり、87日後には、全体に黒みが広がった。
そして、97日後には、全体にびっしりと糸状体が。
ここから重要なのは、温度による刺激。
生長中の適温は15℃から22℃。夏の間はこの温度を保ちつつ、秋には25℃にまで上げる。
城島「目指すは1帖(板海苔10枚)!」

夏の終わり、大規模な青潮が発生し、DASH海岸のアサリやスズキ等の生き物達に深刻なダメージを与えた。
そんな中、陸上には種付けから135日を迎えたカキ殻。
その様子を確かめると、水温は適温よりも高い28℃。
木村さん「水の量が少ないから余計気温に左右される」
大型の水槽に移し替え、外気の影響を抑えることに。
さらに、冷たさによる水温刺激で胞子が出切らぬように、サーモヒーターを設置し、25℃にキープ。
海水温が現在の30℃から水槽の25℃を下回った時が、沖出しの時期。
木村さん「海の水温が下がるのを待ちましょう」