干潟の表面をよく見てみると、高さ1cm程の山が。
その山の下を掘ってみると、棲管(せいかん)が続く。
砂中が耕されて、保水力が上がる。
この巣穴を掘ったのは、ニホンスナモグリ。
ハサミで砂の中から地表に砂を押し上げ、粘液で固めて周辺に堀を作る。
すると、波でも崩れず、干潮になると窪地に潮が溜まる潮だまりとなる。
木村さん「ほんの小さな高さの差ですけど、それがものすごく生き物にとって重要」
窪みには、ムシロガイやヒメハゼの稚魚など、小さな生物たちが棲みついていた。

さらに城島が発見したのは、砂を固めてできた棲管(せいかん)。
浜本さん「ツバサゴカイっていうゴカイの仲間の棲管なんです」
ツバサゴカイは、2m程の棲管(せいかん)の中にエラのような翼状背足肢(よくじょうはいそくし)を動かして海水を取り込んで、長い体から、海水中の有機物を吸収し、反対側の出口の方から浄化されたきれいな海水を排出する。
そのため、優れた浄化能力がある。
排出された水は、さらに干潟を潤すこととなる。
城島「生き物が耕してくれれば、こうやっていい環境になるってことですね」

そして、城島が探しているのは、
城島「あとはクルマエビですよね」
干潮時のクルマエビは、砂地の水深のある潮だまりに身を潜めているという。
注意深く干潟の表面を見ていると、クレーターのような潮だまりがあちこちに。
直径約1m程のその潮だまりは、ある生き物によって作られているという。
木村さん「これはアカエイ」
東京湾にも多く生息する、毒針を持ったアカエイは、砂地の底に潜るように穴を掘る。潮が引くとその窪みがクレーターのような潮だまりとなる。
さらに、潮だまりに海藻が生えると、生物がより隠れやすくなる環境となる。