大野さん「(賀茂なすは)在来種なので昔ながらの性質を残している」
元々ナスは外敵から実を守るため、トゲを出す性質を持っていた。
しかし、現在のナスは収穫する人や食べる人が、トゲでけがをしないよう、トゲの出ないものに品種改良されている。
一方、賀茂なすは原種に近いため、ナス本来の姿が残っており、葉の表面だけでなく葉の裏側、さらにヘタにも鋭いトゲがある。
だが、大野さんはいつも手袋などはせずに収穫作業を行うという。
それは、手袋の繊維で柔らかい実の表面を傷付けないための配慮。
これぞ伝統野菜を守るこだわり。

さらにもう一つの違い。
DASH村では何度収穫してもナスがなり続け、6月から10月の間に一本の木から50個近くとれていた。
だが、京都の伝統野菜、賀茂ナスの場合は、
大野さん「(一本から)実が付くのが20個、出荷できるのは10個程度」
品種改良していない賀茂なすはとてもデリケート。
簡単に、出荷できるようなきれいな実は生ってくれない。

肥料が微妙に多かったり少なかったりするだけで、一瞬で実が割れてしまったり、全く実が出来ない事もある。
さらに、ハウス内の温度がほんのちょっと上がっただけで、一夜にして色が抜け、艶のない、価値のないものになる。
太一「エリートだけ探すと本当に少しなんですね」