弱音を吐きつつ、2時間運び続けたが、ついに体力の限界。
運んだ分だけでもいい、島に少しでも線路を敷きたいと、設置作業を開始。
一般的な線路は、レールと枕木の下に、車両が走った際、クッションの役目を果たす砂利が敷き詰められている。
よって、まず砂利を敷き、その上に枕木、レールを釘で固定して、枕木の周りを砂利で覆うが、今回は、トロッコという比較的軽い車両に加え、地盤がしっかりしているとのことで、砂利を敷かずに、枕木を地面に直接置いていく。

枕木6本にレールが一組、載せれば線路の形が見えて来る。
そして、枕木とレールを固定するのに使われるのが、“犬釘(いぬくぎ)"。
頭の部分が、犬の顔の形に似ていることから、そう呼ばれる。
レールをとめる犬釘の並び方は、「ハ」の字。
横並びに打つと、気温によってレールの伸び縮みするため、枕木がズレて、角度が狂ってしまう。
そこで「ハ」の字に打つと、レールが伸び縮みしても力がかかり、枕木との角度が狂わない、プロの知恵だという。

打ち込むときは、犬の頭が真っすぐレールに向かなければならない。
さっそく長瀬が挑戦してみるが、上手く打ち込めない。
長瀬「これ、相当な技術がいるんですね」
そこで犬釘打ち歴5年、鉄道マンの松木くんにお手本を見せてもらうと、25秒で打ち終わり、犬の頭は真っすぐレールに向いている。
松木くんにならい、長瀬も腰を落として垂直にハンマーを振り下ろすと、犬の頭が真っすぐに、しっかりとレールを噛んだ。