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尾谷さん「当時はあった材料で(建てた)」
これならば、島にあるものをかき集めれば、なんとか間に合うのではないのか。
すき間は多いが、半間も施され基本の造りはどれも同じ。
しかし、入口に渡された中梁(なかばり)は太く立派な木材。
舟屋には、そんな大きくて丈夫な材料も必要となる。
果たして、島で揃うのか、不安だらけの島での舟屋造り。
そこで達也は、建て方の基本だけでも教わりたいと、尾谷棟梁に島へと来て頂いた。 |
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まず、舟屋を建てるのに良い場所。
海面すれすれの所が良いのは間違いないが、
尾谷さん「(港跡は)潮が引いたら急な坂になる」
船が出入りする舟屋は、入口に緩やかなスロープ。
しかし、島の港跡の護岸は急勾配で、舟を出し入れひとつするにしても、余計な時間と労力が掛かってしまう。
そこで、当初の舟屋の建設候補地を変更。
港跡の奥の入り江は、水面に続く緩やかな傾斜があり、平らな土地もある。
周りを山と林に囲まれ、波や風の影響も受けにくい好立地。
安全な環境を優先し、入り江の一番奥に舟屋を建てることに。 |
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ところが、その建設予定地のまさにド真ん中に、巨大な岩が鎮座。
基地作りには、まずこれを動かし、敷地を確保せねばならないが、男数人がかりのテコでもビクともしない。
そこで日を改め、クレーン車にも応用される滑車装置を使うことに。
それは、移動式クレーン免許取得者・城島のアイデア。
二つの滑車を使うことで、持ち上げるのにかかる力が半分で済む。
まず、丸太で三角形に櫓(やぐら)を組み、櫓と岩に滑車を取り付ける。
これで滑車のロープを引けば、半分の力で持ち上がるはず。
吊り上げた岩は、達也が掘る3m先の穴まで移動する。
それは、岩を基礎の一部として取り込むことで、移動距離を最小限に抑えるという城島の計算があった。 |
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