中出(弟)さん「普通のなすに比べて、水をやる頻度とか量は多いですね」
そのため、なすの木の根元の土には苔が生えるほど。
常に土が湿っている状態じゃないと、味が落ちてしまうという。
江戸時代から農業が盛んだったこの土地には、住宅街の中に大きな農業用のため池がいくつもあり、中出さんは、そのため池の一つから水を引き、ポンプでくみあげて水やりをしている。

さらに、
中出(弟)さん「ちょっと触れてしまうだけでも傷になっちゃう」
松岡「デリケートだね。触れてしまうだけで傷つく」

泉州水なすは、普通のなすより皮が非常に柔らかいため、風などで葉が少しこすれただけでも、傷が出来てしまう。
放っておくと、大きな傷になり、値打ちが下がる。
そのため、中出兄弟のお2人は毎朝1500本の木を見回り、実の近くにある葉を切り落としている。

しかし、こうした傷がついた水なすも、地元では隠れた人気の商品。
その理由は…
中出(弟)さん「傷がある方が、ポリフェノールが通常より多い」
実の表面に傷ができてしまった水なすは、その傷を自ら塞ごうとする。
つまり、人間でいうカサブタのようなものができる。
そのカサブタを作るとき、皮に含まれるポリフェノールが多く分泌されるという。
傷がついても味は変わらないため、地元の直売所で売られている。