TOYOTAプレゼンツ・FIFAクラブワールドカップジャパン2007

現地レポート

2007.4.26 6大陸最初の王者はパチューカ(メキシコ)


昨年の引き続き、北中米カリブチャンピオンズカップ決勝の取材で、メキシコへ行ってきました。今回の決勝第2戦が行われるのは、パチューカ。首都メキシコシティから北東へ車でおよそ2時間。近くには、世界遺産にも登録されているアステカの遺跡“古代都市テオティワカン”があります。

4月23日、到着するなり季節外れのスコール。標高2600メートルの高地とあって、日差しが強く、日焼けはまるでやけどのような状態。酸素が薄いので、眠りが浅くに睡眠不足・・・。さらに置き引きによるデジカムの盗難にあいパチューカの警察で3時間の事情説明。しかも、試合当日の天気は風速27メートルの悪天候と予想され・・・。

順調(・・) な取材の日々を重ねるにつれ、解説者の城彰二さんとともに、選手以上に気合が入っていきました。そして、迎えた4月25日。キックオフのホイッスルの笛が響く夜空には、心地よい風が吹き満点の星空が(涙)

そして試合も、予想を裏切らない熱戦となりました。パチューカとグアダラハラというメキシコ勢同士の決勝。現在国内リーグ1位と2位の対決とあって、メキシコ中が注目したこの一戦は、実力も伯仲!

前後半90分、さらに延長戦でも決着がつかず、PK戦までもつれ込みました。そのPK戦も、ともに5人が成功、一歩も譲りません。7人目、先攻グアダラハラのエース・メディナが外してしまいます。決めれば勝ちのパチューカの7人目のキッカー、ランディンが落ち着いて決めホームのパチューカが優勝!クラブワールドカップへ一番乗りを果たしました。

メキシコ最古のチームは『サッカー大学』を経営する未来系クラブ

日本では、あまりなじみのないかもしれないパチューカですが、メキシコサッカーを語るにはパチューカなしでは語れません。実は、パチューカこそがメキシコサッカー発祥の地なのです。

1901年、地元の鉱山で働いていた人々に、イギリス人技師たちによって伝えられたのが
始まりで、その年の終わりには、完全なチームを組むまでに成長。メキシコ初のクラブチームが誕生したのです。

そのメキシコ最古のクラブは、ただ歴史を誇るクラブではありません。パチューカは政府公認の大学を経営しているのです。その名もサッカー大学!(正式名フットボール・スポーツ科学センター大学)

2001年に創立したこの大学では、プロサッカー選手を目指す学生だけではなく、一般の学生もサッカーに関するビジネス、テレビ、新聞、カメラなどのマスコミ学、クラブ経営学、スポーツ医学など幅広く学ぶことができるのです。

選手育成だけでなく、サッカーを支える環境の未来を見据えたまさにクラブの理想の形と言えるのではないでしょうか。

解説の城さんも、「教室で学んだことをそのままピッチで実践できる環境は素晴らしい」と絶賛していました。

このパチューカの注目選手はGKカレロ、DFモスケラ、FWチティバのコロンビア代表トリオに現在メキシコ代表として活躍中のFWカチョ。
2006年のメキシコリーグでは、前期後期ともにチーム得点数リーグナンバー1と爆発的な攻撃力を誇る。

2006年にはコパ・スダメリカーナ優勝、そして今年北中米カリブチャンピオンズカップ優勝と国際舞台での活躍が目立ち、チームとして今まさに成熟期を迎えています。

昨年は4位と不本意な成績で終わった北中米カリブ代表。
今年こそ欧州と南米の2強時代に終止符を打つべく、12月に日本へやってきます!!

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