出場チーム

12月18日、アデレード戦後ジョゼ監督会見

「私個人としては、驚く結果だとは思っていない。この大会の初戦に対する周りの期待がものすごく大きく、負けた後に批判が多くあった。それによる精神的ダメージが大きくて、選手は回復できないまま試合をするような状態だった。立ち上がりからアデレードの方がペースをつかみ、すぐに1点が入ってしまったし、2点目のチャンスもアデレードにはあった。うちには決定的なゴールチャンスはほとんどなかったのでは。PK戦になっていたら、結果は違ったかもしれないが、勝利に値する内容ではなかった。」

「3年前に出場した時も、同様の大きな期待を背負っていた。最初の試合で負けて、次の試合(5位決定戦)も負けた。流れの中でチャンスを決められなかった。その失敗から、今回は勝つ夢を見るように選手たちに言った。それが悪夢にならないように気をつけようとも言った。3年がたち、挑戦し続けることで選手は成長したと思う。今回は、残念ながらみなさんにいいイメージを残せなかったが、それにめげずエジプトに戻り、国内リーグ制覇という目標に向かって頑張りたい。」

「私は、このチームの監督であることを誇りに思うし、アルアハリはエジプトで大きな歴史を作ってきたチームだ。これから50年かかっても、これだけ多くのタイトルを取るチームは現れないと思う。アフリカスーパーカップが2月にあるので、4回目の優勝を果たしたい。リーグ戦もカップ戦も勝つという目標を設定してやっていきたい。」

「これからは精神的なダメージを何とかしたい。選手はとても頑張っただけに、この結果を本当に残念に思う。プレッシャーがあまりにも大きすぎた。選手たちはまだ未熟で、それに耐えるガッツがなかったのは事実。エジプトでは、アルアハリは世界一だと思われているが、それは現実的ではない考え。そうではないと言っても、メディアはそれを信じず、アルアハリが世界一だと信じている。だから批判が出てくるのだと思う。私はいつも選手に感謝しているし、監督であることを誇りだと思っている。」

「チームが負ける時は監督の責任でもある。監督をしていれば成功も失敗もあるのがサッカー。負けたら、それを糧とすればいい。たまに失敗しなければ、謙虚さを失ってしまうからね。今回の失敗を前向きに受け止め、基本に立ち戻り、謙虚に成長しかなければと感じている。」

Q.アルアハリはこの3年間で6位に後退したが?

「当然だが、それを喜んではいない。もっといいサッカー、プロフェッショナルなサッカーをプレッシャーのない状態でお見せして、喜びを感じて帰りたいと思っていた。エジプトを出た時に、メディアは優勝候補だと感情的に騒いでいた。私はそんなことはないと何度も言ったが、聞く耳を持たなかった。本当にチームを愛しているのなら、現実を受け止め、チームの実力を見極める事が必要だ。」

「3年前と選手はほとんど変わらず、若さやスピードは失われているが、経験を積み精神的に強くなる。しかしエジプトやアフリカ大陸を出ると、世界の壁にぶつかる。まだまだという印象だ。選手たちは頑張って成長しているのに、エジプトメディアは批判をする。ネガティブなダメージを与える批判だったので悲しく思う。私は批判に慣れているからいいが、選手たちにはダメージが大きい。それにアルアハリファンにも申し訳ないと思っている。期待した分、がっかりしているはず。エジプトに戻った時には、アルアハリがこれまでに作った歴史を思い出し、いつもと変わらず温かく見守って欲しい。」

Q.選手補強の必要がある?

「そういう話をするタイミングではない。負けた後に補強がどうのこうの言えば、今の選手では不十分という話になる。私はそうは思わない。日本に来る前の試合内容や結果を考えれば、新しい選手をこのタイミングで連れてくるとか、お金をかけなければいけないとか、そういう話をする時ではない事が分かるだろう。選手に対してフェアではない。私は今の選手たちを信頼している。負けた時こそ一緒にいなければいけない。こういう時こそ1つになってなぐさめ合い、力になることが必要だ。」

Q.選手たちにエジプトメディアについてどのような話をしているのか?

「エジプトメディアの批判をどう思うか尋ねれば、選手それぞれ違う答えになるだろう。私はメディアが何を書いても関係ないと思っている。取れるタイトルは全て取ったのだ。エジプトメディアは今回も批判し監督交代を求めるだろうが、まだ1年半の契約があるし、簡単にチームを離れるつもりもない。今日は少しスパイスが足りなかった。味付けされていない食事を出されたような感じだった。チームの精神状態がずたずただが、メディアの批判に負けるチームではないし、必要ならメディアと戦ってもいい。」