第539回日本テレビ放送番組審議会は、環境月間を機に今年6月から始まった「Good for the Planet」キャンペーンをテーマに、『所さんの目がテン! かがくの里 開拓史』を取り上げました。この番組では「里山再生」を目指し、絶滅危惧種の“二ホンウナギ”をため池で養殖する実験などを行っています。
今回も感染防止のため、リモート形式で行いました。(リポート1名)

  • 里山が荒れたせいでイノシシが出やすくなることや、市街地と山の間に人の手が入った自然があることは、人のためにも動物のためにもなることが分かりやすく解説されていて納得した。
  • 色々な分野の大学教授や研究者が、農地改良やウナギの養殖をしているのが新鮮に思えて、科学の実力を見せて貰える壮大な実験という感じがした。
  • 従来の養殖ではなく自然に任せて養殖することを、今までやったことが無いということに驚いた。なぜなのかと疑問に思った。
  • 地球に良い取り組みを、普段見ている番組にちりばめている企画が素晴らしい。DASH村と違うのは、各分野の専門の先生方が出て来て科学的に説明してくれることで、科学を企画にしているところが魅力的だと感じた。
  • ニホンウナギが圧巻だった。なぜ絶滅するかという色んな話は聞いたが、オスとメスがこれほど違うという説明を聞いたのは初めてだった。自然に近い形で養殖すると半々になるという発見があり、全てが面白く興味深かった。
  • 自然の力は凄い。“里山再生”が良い意味で実証できたと思う。ただ、大事なのはこの先。これから里山を戻していくにはどうするかということまでも、踏み込んで考えていく必要がある気がする。
  • 「オスとメスを見分けるには解剖するしかない」と言われた時にはザワっとしたが、ちゃんと食べるところまでやったのは素晴らしいと思った。膨大な時間と作業を費やしたものは豊かなものになるということは見ていて感じたし、番組としてあるべき姿だと思った。
  • 自分の年代は里山をちょっと知っているので、すんなり見ることが出来たが、里山が感覚的に分からない年代もあると、そこから紹介しなければならないのかと思った。全体的にはキツキツの大急ぎになっていて、気持ちを入れる隙間が無かったのは残念だが、仕方がないことだと思った。
  • ウナギが出て来ていきなりさばくシーンになったので、間が急すぎたという気がした。宇宙実験でも色々な動物を扱うが、映像には物凄く気を遣う。映像としては短縮して、何度も出さなくても良かったかもしれないが、そういう一端を見せられることは、逆に良いことなのかなと思った。
  • ウナギの養殖を採算ベースの合うところまで科学でやってもらいたい。そうすれば、科学の中に経済学的な視点を入れていくことになると思うし、農業系や生物自然科学系の学校の子供が、応用できるような番組のあり方だと思った。
  • 家族や皆で色々と考えて話し合うことが出来るタイムリーな番組だと思った。SNSが社会に色々な影響を与えているが、テレビの伝える力は強いと思う。このようなテーマを正面に据えて“自然保護、自然との共生”などと、地球・社会へ更につなげる取り組みの発信を強化して欲しい。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「ウナギを田んぼで養殖すると、オスとメスがほぼ半分に分かれることを科学的に実証できたことで、今、先生が論文の作成に取り組んでいる。また、ウナギをさばくシーンにはもう少し配慮が必要だったと思っている。」