第548回日本テレビ放送番組審議会は、まず、日本テレビのAI技術研究が4年連続で映像情報メディア学会の技術振興賞を受賞した報告を行いました。
そして、5月1日に放送された『1億3000万人のSHOWチャンネル』を取り上げ、審議しました。今年1月から始まった番組で、櫻井翔さんが局長になり“皆のやりたいことにチャレンジする放送局”というコンセプトで、視聴者の「やってみたい」「見てみたい」が詰まった企画を実行するというものです。
今回も感染防止のため、リモート形式で行っています。(リポート1名)

  • 櫻井さんの司会がとても落ち着いていてアクがあまり強くないので、全体的にとても見やすい番組だった。それぞれのコーナーも面白く、ゲストの数もちょうど良かったと思う。
  • すべてのコーナーがそつのない面白さで作られ、登場人物も万人受けするタイプなので、心に特別引っかかることや巻き込まれる緩急が感じられず、サラっと見て、サラっと忘れてしまいそうな感じがした。それだけ個性が目立たないという意味で、「絶対見たい」という人も少ないのではないかという気がした。
  • YouTubeの影響があるとはっきり思った。テレビの面白さとYouTubeの面白さは違う。1つ1つの時間が短いYouTubeに合わせて番組が変わってきていることを感じ、これからはYouTubeとテレビのハイブリッドみたいなものが出て来るのだろうと思った。
  • この番組によって何か得たものがあるとか、有意義な時間を過ごせたかというと疑問を感じるが、たわいなく笑えるし、嫌味な点が全く無いことに感心した。何と言っても、上田さんと櫻井さんのトークによって、お互いの日常が出てきたというのは非常に良いやり方だと思った。
  • 櫻井さんのある種の“中庸さ”が活かされている。お酢のところも、今までのバラエティーだとしつこく掘っていくパターンが多かったが、あまり引っ張っておらず、品の有る作りになっていたので好感を持った。
  • 上田さんの熊本ロケで、野グソの話が出てきて、しつこかったのが気になったのと、櫻井さんと羽鳥さんの位置づけが気になった。
  • イチゴの施設を紹介したときに、火力発電所から出ている熱などを使って、施設をやっていることに触れていないので、一言でも紹介できれば良かったのではないかと思った。
  • 出演者の発言に対して、すぐにスタッフが触れ、ナレーションでフォローしていたことが凄く大事だと思った。物事が本当かどうかということをチェックする“ファクトチェック”はバラエティー番組にも必要じゃないかと思うので、今回はそれをやっていたので良いと思った。
  • 八代亜紀さんの肩書に“レジェンド”と入っていたのと、八代さんの発言の同好会的な面白さがYouTube的な瞬間だと思った。
  • 熊本の“塩トマト”は何度かテレビに出ているが、ピザの上に乗せるというアイディアはとてもためになった。様々な視点で地方の良いところを取り上げると、核になり、経済的にも潤って来ると思うので、“ふるさとイーツ”のコーナーで色々なものを取り上げて貰いたいと思った。
  • 様々な分野のゲストの「やってみたい」という思いを実現しながら、視聴者の好奇心を駆り立ててくれるので毎回ワクワクして見ている。コロナ禍で行動が制限されることが多いからこそ、挑戦してみたいという思いを呼び起こしてくれる番組は、とても大切だと思う。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「テレビの見られ方が変わっていく中、YouTubeの発想をいかにテレビ的にして、キャスティングなどに労力をかけて作るかを目指しています。色が無いというのは実は目的としているところでもあり、反省が必要なところでもあるので、今後はいただいたご意見をもとに、よりよい番組にしていきたいと思っています。」